鹿児島の眩しい夏の光を浴びながら電車に揺られ、私達はついに元の街へと戻ってきた。
駅からお互いの家へと向かう道中、雨上がりの青空がやけに目に沁みる。
手元にある使い捨てカメラのずっしりとした重みと、おじさんの「自分の言葉でぶつかってきなさい」という言葉だけを道標にして、私達は一歩一歩踏みしめるように歩いた。
どんな顔して両親に会えばいいのか、分からない。
何から話していいのかも……。
充電がなく、電源の落ちてしまった私と、故意に電源を切っていた律。
案の定、隣り合う私達の家の前の路上には、怒りと焦走で顔を歪ませたお互いの両親が待ち構えていた。
ああ……。
すごく……怒ってる。
一日、連絡が取れなかったんだ。
怒らない方がおかしい。
それに……私たちの両親は、どれだけの時間、ここで待っていたのだろう。
「律!お前というやつは……!!」
律のお父さんの怒声を合図に、私達を取り巻く大人の空気が一瞬で変わった。
お父さんは松葉杖をついて立つ律のもとへ大股で詰め寄ると、問答無用で腕を振り上げた。
鈍い音。
パチン、と乾いた衝撃音が静かな住宅街に響き、律の頬が大きく横へ弾かれた。
白いギプスを巻いた足で、必死にバランスを保とうとする律の体が大きく揺れる。
「律……!」
「あなた、やめてください!」
私と律のお母さんの悲鳴が重なった。
