「え……?」
「だから……その、他の誰とも付き合う気になれないから、無理って言ったの。……それだけ」
律は真横を向いたまま、耳まで真っ赤にして口をへの字に結んでいる。
他に気になるやつ……?
え、律に好きな人がいるの……?
そんなの、聞いてない……。
こんなに長い間一緒にいて、律に好きな人がいるなんて感じたことがなかった。
そりゃまぁ、高校2年生だし?
律はカッコよくて学校でもモテるんだから、好きな人がいてもおかしくはないけど……。
でも、ちょっと、何か、あれだな。
なんていうか、律の口から直接気になってるやつがいるなんて聞くと、ちょっと、心臓が痛む……。
自分から話題を振ったのに、この、何とも言えない微妙な空気に耐えられなくなり、私はまた、自分から話題を変えることにした。
「……ねえ。あのさ、さっき、霧島神宮で……律は何を祈ってたの?……部活やお父さんとのことも、本当はどう思ってるの?」
