あの夏、残り3%の君と、世界でいちばん綺麗なサボり方をした


喉仏が力強く上下する。
一気にスポーツ飲料を飲む律の横顔は、汗の引いた肌がどこか涼しげで、やっぱりハッとするほど綺麗だった。
ゴクゴクと音を立てて喉を鳴らす姿には、スポーツに打ち込んできた男の子ならではの無骨な熱が宿っている。

「……生き返った」

半分以上を飲み干すと、律はペットボトルの底を膝の上に置き、深く息を吐いた。
痛む右足をそっと伸ばし、座席の下に滑り込ませる。包帯の巻かれた足首に触れないよう、動作の一つひとつに慎重さが滲んでいた。

「……本当に、ごめんね」

私は自分の膝の上で拳を握りしめ、消え入るような声で繰り返した。

「私のせいで、こんな足なのに歩かせちゃって……。律が影のところで待ってくれてなかったら、私、本当にどうにかなってたと思う。嬉しかった。……嬉しかったけど、でも、律の体調も足も心配で……どうしようもなくて」

ぐるぐると渦巻く申し訳なさと愛おしさが混ざり合い、視界がまたじわじわと熱くなる。
すると、律はペットボトルを座席の脇に置くと、少し身を乗り出して私の目を覗き込んできた。

「あおば」

低く、柔らかな声。