あの夏、残り3%の君と、世界でいちばん綺麗なサボり方をした


それなのに、私の胸の奥は、これ以上ないくらい惨めで、急に息が詰まりそうになった。
チームの仲間たちに囲まれてキラキラと輝く律の隣に、コンクールメンバーから外されそうで中身はボロボロで逃げ出したいだけの自分が並んでいることが、急に耐えられなくなった。

「……ごめん、律。私、ちょっと用事思い出したから、先に帰るね」

うまく笑えていたかな。
私は掴んでいた律の袖を静かに離すと、賑やかなみんなの声を背中に浴びながら、慣れない下駄でがむしゃらに人混みを走り抜けた。

「あおば!待てって!」

神社の喧騒から遠く離れた、街灯だけがポツンと灯る小さな公園。
足の鼻緒が擦れて血が滲んでいたけれど、そんなのどうでもよかった。
律の声を無視して、小走りで公園を進む。
何をこんなにイライラしているんだろう。
律は当たり前のことを言っただけじゃん。
ただの幼馴染。そんなこと、私だってわかってる。
何もかも中途半端自分が嫌いなだけ。

「あおば!!」

激しい足音と共に、律が私の腕を掴んで強引に振り向かせた。
律の息は激しく乱れ、甚平は汗でぐっしょりと濡れていた。

「放してよ!律はサッカー部とお祭り回ったらいいじゃん!絶対、そっちの方が楽しいんだから!」
「あおば?」

律が眉間にシワを寄せる。

「可愛い女の子だって一緒だったじゃん!絶対、律のことが好きな子いるよ。今戻れば、その子達喜ぶと思うよ」
「いきなりどうしたんだよ、お前」
「いきなりじゃないよ!」