「正直、逃げて、立ち止まって、格好悪い自分に嫌気が差した日もあったじゃん?……でも、あの遠回りの時間があったからこそ、俺たちはこうやって笑えてんだろ。100点満点の教科書通りの道だけが正解じゃない。あのサボった時間も、ダサかった自分たちも、全部引っくるめて……これが俺たちの生き方なんだよ」
胸の奥が熱くなり、私は静かに頷いた。
県大会のオーディションに落ちたことも、怪我で遠回りしたことも、挫折してサボったあの雨の日も。
世間から見れば「失敗」や「無駄」と呼ばれるのかもしれない。
けれど、自分で悩み、自分で立ち止まり、自分で選んで歩んできた道だからこそ、その傷跡さえも私たちだけの愛おしい「正解」になるんだ。
私たちは、旧校舎の西日が差し込む窓際の机の上に、ふたつの写真立てを並べて飾った。
あの日飛ばした紙飛行機は、どこへ落ちたかも分からない。
けれど、もう空を見上げて溜め息をつく必要はなかった。
授業が終わると、また、それぞれの放課後が始まる。
