あの夏、残り3%の君と、世界でいちばん綺麗なサボり方をした


使い捨てカメラの中にあったのは、完璧な写真ばかりじゃない。
ピントがボケたもの、光が飛んでしまったもの、そして絶望で今にも泣き出しそうだった私たちの顔。

​「どれにする……?」

​そう尋ねると、律は迷わず2枚の写真を選び取った。 

​1枚目は、点数の悪かったテスト用紙で紙飛行機を作り、窓から空へ飛ばしている律の横顔。

2枚目は、霧島のおじさんの家で、雨の音を聞きながら、二人寄り添って戸惑いながら肩を並べている写真。

​「……なんで、この2枚?」

​私が聞くと、律は旧校舎の窓枠に肘をつき、照れくさそうに夕空を見上げながら言った。

​「1枚目は、俺たちが挫折して、大人たちの決めた『正解』から逃げ出した日の証。で、2枚目は、サボって遠回りしたおかげで、二人で笑えるきっかけになった日の証」

​律の言葉が、温かく胸に染み渡っていく。