あの夏、残り3%の君と、世界でいちばん綺麗なサボり方をした


サボってばかりだった夏が明け、私たちはどこか吹っ切れたように勉強にも向き合うようになっていた。
テスト前の放課後、旧校舎のあの空き教室で二人並んで机に向かった。
分からない問題を教え合い、くだらない喧嘩をしながらも集中してノートをめくった。

​そして返ってきた、夏休み明けの実力テスト。
高校受験以来、必死に猛勉強した私たちだったけど、2人とも思ったより点数は上がっていなかった。
まぁ、赤点は免れたんだけど……。

​「……まあ、俺らが本気を出したところで、あんま変わんねぇか」

​返ってきたテスト用紙を見ながら、律は残念そうにフッと鼻で笑った。

​「そうだね……。今回は結構いいところまでいけたと思ったんだけどね……。まぁさ、少し上がったんだし、それでいいんじゃない?私たちらしくてさ」

私が言うと、律はハハハと声をあげて笑った。

「で?今回は紙飛行機にしないの?」
​「するわけないだろ。点数はそこそこでも、もう、テスト用紙で紙飛行機は作らないの」

律が胸を張って言うと、私は懐かしいあの窓の外を見つめながら、少しだけ目を細めた。

​「……そうだね。もう飛ばす必要なんてないか」