あの夏、残り3%の君と、世界でいちばん綺麗なサボり方をした


2学期が始まった。
​校舎を抜ける風にほんの少しだけ秋の気配が混じるようになったけれど、日差しはまだ夏の眩しさを残している。
​幼馴染から「恋人」へと変わった私たちの関係。
だけど、学校で大騒ぎして見せつけるようなことはしなかった。

律は相変わらずツンとしていて無愛想だし、クラスも違う。

​それでも——廊下ですれ違う一瞬、目が合った時に律がふっと口元を小さく緩めること。
部活終わりの夕方、下駄箱の前で「遅え」と呟きながら待っていてくれること。
歩幅を合わせて歩く帰り道、周りに誰もいなくなった瞬間に、照れくさそうに律の大きな手が私の手をぎゅっと握りしめてくること。

​それだけで、胸の奥が熱く焦げ付くほど満たされていた。