『好きだ』
書くときに力が入ってしまったのか、それとも何度も迷って渡すのを躊躇した痕跡なのか。
少し折れた端っこに、律の震えるような葛藤と本心が詰まっていた。
「……っ!」
息が止まり、胸がドクンと大きく跳ね上がった。
「好き」なんて甘い言葉、一度だって口にしてくれなかった律。
ツンツンして、いじわるで、強がりばかり言っていた律が、この写真の裏にだけ、たった3文字の本心を閉じ込めていたんだ。
視界がじんわりと熱い涙で滲んでいく。
「律……!これ……っ」
顔を上げると、窓辺に立っていた律が、顔を真っ赤にして気まずそうに私から目を逸らした。
「今までの俺たちってさ……お前も俺も、怪我とかプレッシャーで完全に心が参ってたじゃん。心の充電なんて、マジで残り3%くらいしかなかったし」
「………」
「絶望して、サボって、大人たちの言う正解から外れてさ……あの時の俺たち、いつ充電が切れてもおかしくないギリギリの状態だったよな」
