あの夏、残り3%の君と、世界でいちばん綺麗なサボり方をした


数日後の、全く手応えのなかった期末テスト。
返却された白い余白ばかりが目立つテスト用紙をカバンに詰め込み、私は放課後、吸い寄せられるようにまたあの旧校舎の空き教室へと向かった。

重い木の扉を開けると、夕方の強い西日が差し込む窓辺に、律がボツンと立っていた。
その手には、私と同じく返却されたばかりのいくつかのテスト用紙が握られている。
隙間からチラリと見えたそれには、赤色の無残な数字が並んでいた。

「……なんだ。律のクラスもテスト返却あったんだ」
「あ〜、うん、まあな」
「……今回も悲惨だったみたいですね」

律の隣に立ち、窓から左側に広がるグラウンドを見下ろす。
テスト期間中小休止していた部活が一気に動き出し、サッカー部の掛け声や、遠くからかすかに聞こえる吹奏楽部のチューニングの音が、夏の熱気と一緒に風に乗って届いていた。
本当なら、私もあの場所にいなきゃいけないのに……。

「み〜た〜な〜」

律はまるで、未練を残したまま成仏しきれていない幽霊のような低い声で、隣に立つ私を見下ろしてきた。

「ハハハ、何その声。キモい」

私が笑いながら言うと、律は5枚のテスト用紙をパラパラと扇子みたいに揺らしてみせた。

「あおば、俺やっべーわ。本当にやっちゃった」