俺のBL小説がドラマ化するらしい


プルルルルル

一気に現実に引き戻される

着信

"制作部 佐藤さん"

「はい、冬月です」
「冬月先生、ついにヤンキーくん候補が決まりましたよ」

さて、どんな人がヤンキーくんを演じてくれるのか

誰も蓮には敵わないが、その候補とやらの彼の事を知っおく必要はあるだろう。

「どんな方なんですか?」
「一応、メールの方に写真お送りしましょうか」
「あ、ぜひお願いします」

そう伝えるとすぐにメールが届いた。
さすが、仕事が早い。

ダブルクリックでメールを開き、添付されている画像ファイルを開く。
少し待つと画像が表示される。

そこにうつる俳優さんは、身長は高そうだが黒髪でピアスも付いていない。
薄らピアス跡があるようも見えるが、なぜこの方がヤンキーくん役?という疑問は拭えなかった。

だが、なんだか、すごく似ていた。彼をまとっている気だるげな雰囲気や綺麗な顔立ち。

彼ならしっかり演じてくれるかもしれない。
少しでも、蓮に近いキャラクターを作り出してくれるかもしれない。

メールには、彼との顔合わせしてみてはどうかと書かれていた。

どうせなら、ヤンキーくん、メガネくん、揃った状態で見たい。
2人揃った時の空気感をしっかり確かめたかった。

そう思い、佐藤さんへのメールの返信に、こちらからのお願いとして書き、送信した。

ピロンッ

やはり、返信が早い。

ぜひそうしましょうとのことだった。
ついに夢が動き出した実感がして、わくわくが止まらない。

佐藤さんと顔合わせの日時を決めた。

あとは、その日を待つだけだ。

俺の人生が9年ぶりに動き出す日が着実に近付いてきていた————