放課後、僕の料理が君に完食されるまで。

「何のこと…?

人違いじゃない…?」

「口元のホクロ…それに、物を食べる時のあの音をハナノスケの動画を毎日見ている俺が見間違えるはずがない」

「ーーッ…!」

「それに…ハナノスケの最近の動画、“姉が忙しくなって、撮影用のデカ盛り料理が作れなくなったからしばらく更新を休む”ってコミュニティに投稿されてただろ?」

蓮介は1歩足を踏み出した。

その瞳は、獲物を見つけた猛獣のようにギラギラと輝いていた。

「俺は、料理を食べるのが大好きだ!

でも、少食で自分じゃ食べられない!

君は大食い動画配信者だけど、今は撮影用の料理に困っている…だったら」

沈黙が重く流れた。

望が深く息を吐くと、肩の力を抜いてスクールバッグを近くの椅子に放り投げた。

「ーーバレてんじゃしょうがないか…」

その仕草だけで、彼が観念したのがわかった。

「そうだよ、僕がハナノスケだよ」

望は前髪をくしゃりとかきむしると、どこかあきらめたように苦笑いをした。