放課後、僕の料理が君に完食されるまで。

激辛麻婆豆腐を完食した熱い放課後から数日が経った。

彼らの甘やかな日常は、あまりにも唐突に、そして冷酷に壊されることとなった。

「ねえ、知ってる?

5組の花江ってさ…」

「ああ、あの大人しいヤツだろ?

実はネットで大食い動画を出しているってマジなん?」

「顔は隠してるっぽいけど、口元のホクロとか制服のズボンが同じだし、確定でしょ」

「えっ、男であんなの食うの…?

何かちょっと、生々しくてキモくね?」

始まりは、誰かがネットの掲示板に書き込んだ1枚の写真からだった。

望むの切り抜きと学校の廊下で撮られた彼の後ろ姿の比較画像がきっかけだった。

噂はまたたく間に拡散して、昼休みの教室には好奇心とどこか蔑むような視線が望に集中するようになっていた。

蓮介は、怒りで拳を血が滲むほどに強く握りしめていた。

(何も知らないくせに…!)

望がどれほどの覚悟とリスペクトを持って、あの美しく豪快な食べ姿を届けているかも知れないくせに…!

今すぐにでも怒鳴り散らしたい衝動を蓮介は押さえた。