放課後、僕の料理が君に完食されるまで。

「ーーッ、辛い!」

一瞬で望の顔が赤く染まって目元にじんわりと涙が浮かんだ。

だが、望の手は止まらなかった。

はふはふと息を吐き出して、額にビッショリと汗をかきながら、2キロのそれをものすごい勢いで崩していく。

「辛い…けど、めちゃくちゃ美味しい!

蓮介の味がする」

モグモグと、いつもより少し荒々しいテンポで顎が動いている。

滴る汗を手の甲で拭いながら必死に、けれど最高に愛おしそうに自分の料理を望はたいらげていく。

蓮介の胸の奥のモヤモヤは、望のその熱い食べっぷりによって跡形もなく溶かされていく。

(ああ…やっぱり、この胃袋は俺のものだ)

いや、胃袋だけじゃない。

この男の“美味しい”と言う感情の全てを自分が支配しているのだと言う強烈な満たされ方が蓮介を支配した。