その日の放課後。
家庭科室に1人で立った蓮介は、無意識のうちに、それもいつも以上に乱暴にフライパンを振っていた。
今日のメニューは、総重量2キロ超えの『火山麻婆豆腐丼』だ。
大皿に盛られた山のような白米、その上からグツグツと煮えたぎる真っ赤な麻婆豆腐を滝のように注ぎ込んだ。
だが…心ここにあらずだった蓮介は手元が狂って、激辛の豆板醤や唐辛子をいつもの倍以上も投入してしまっていた。
「ーーあらら…」
気がついた時には、遅かった。
立ちのぼる湯気だけで、目がチカチカと痛むほどの暴力的な赤を蓮介は見つめることしかできなかった。
「おう、待たせたな…うわっ、何じゃこれ!?
めちゃくちゃ辛そうじゃん!」
ガラッとドアを開けて入ってきた望が鼻をヒクヒクと動かしながら赤黒い火山を見つめた。
「ごめん、望…ちょっと手元が狂って、かなり辛くしちゃったんだ。
すぐに作り直すから今日は…」
「いや、食うよ」
望はブレザーをバサリと脱ぎ捨てると、スツールに腰を下ろしてレンゲを握りしめた。
家庭科室に1人で立った蓮介は、無意識のうちに、それもいつも以上に乱暴にフライパンを振っていた。
今日のメニューは、総重量2キロ超えの『火山麻婆豆腐丼』だ。
大皿に盛られた山のような白米、その上からグツグツと煮えたぎる真っ赤な麻婆豆腐を滝のように注ぎ込んだ。
だが…心ここにあらずだった蓮介は手元が狂って、激辛の豆板醤や唐辛子をいつもの倍以上も投入してしまっていた。
「ーーあらら…」
気がついた時には、遅かった。
立ちのぼる湯気だけで、目がチカチカと痛むほどの暴力的な赤を蓮介は見つめることしかできなかった。
「おう、待たせたな…うわっ、何じゃこれ!?
めちゃくちゃ辛そうじゃん!」
ガラッとドアを開けて入ってきた望が鼻をヒクヒクと動かしながら赤黒い火山を見つめた。
「ごめん、望…ちょっと手元が狂って、かなり辛くしちゃったんだ。
すぐに作り直すから今日は…」
「いや、食うよ」
望はブレザーをバサリと脱ぎ捨てると、スツールに腰を下ろしてレンゲを握りしめた。



