放課後、僕の料理が君に完食されるまで。

望はネクタイを緩めて、無防備に首筋を晒して笑っていた。

この放課後の家庭科室と言う2人だけの閉ざされた空間で…自分は、この男の胃袋だけでなく、もっと別の、もっと深い部分まで踏み込んでいってしまっているのではないか。

「なあ、蓮介」

「うわっ…な、何だよ、急に!?」

「何、ビクビクしてんだよ…。

いや、次の動画なんだけど…僕の姉ちゃんがさ、最近ウチの食卓が茶色いから、たまには和食っぽい大食いが見たいって言ってたんだけど」

「和食か…。

いいな、大盛りご飯にあうヤツを考えておくよ」

「頼んだ。

お前が作るもんなら、僕は何でも食うから」

望は当たり前のように絶大な信頼を向けてきた。

その言葉が蓮介の胸の奥をじんわりと、しかし確実に熱く満たしていくのだった。