放課後、僕の料理が君に完食されるまで。

ーートクン…

ふと、蓮介の胸の奥が妙な高鳴りを見せた。

(俺、何で見惚れているんだろう…?

男同士なのに…)

ただの“自分の作った料理を綺麗に消費してくれる都合のいい胃袋”だったはずだ。

なのに…ファインダー越しに見つめる望の、その美味しそうに食べる表情、時おり見せる満足気な目の細め方、指についたチーズをペロリと舐める仕草の1つ1つに、どうしようもなく目が引き寄せられてしまう。

これは、自分が作った料理への愛着なのだろうか…?

それとも、この“ハナノスケ”と言う自分しか知らない秘密を共有している男に対する特別な…。

「ーーんっ?」

ファインダーの中で、望がふとカメラから目を外してカメラの後ろにいる蓮介をストレートに見つめてきた。

望の目がイタズラっぽく細められた。

言葉は発しない…けれど、その目は明らかに“このハンバーグ、マジで最高に美味しいよ”と、蓮介だけに語りかけていた。

ーードク…

心臓が跳ねたのがわかった。

蓮介は慌ててファインダーから目をそらして、手元のモニターへと視線を落とした。

耳たぶが熱くなっているのが自分でもわかった。