放課後、僕の料理が君に完食されるまで。

カメラが回り始めると、望はスッと“ハナノスケ”の顔になった。

視聴者に向けて、いつものように小さく、しかし品のあるお辞儀をする。

あえてナイフは使わない。

彼のこだわりは、“豪快に、かつ綺麗に”だ。

大きな口を開けて、あふれるチーズの海へと臆することなくかぶりついた。

ーーグシャ、ジュワ

肉汁が弾けて、バンズが沈み込む、暴力的なまでに美味しそうな音がマイクに吸い込まれた。

蓮介はファインダーから目を離せなくなっていた。

(ーーすげぇな、やっぱり…)

ファインダーに映っている望は、いつもの教室で見せる“目立たない、ちょっとやる気のない男子高校生”とは、まるで別人のように輝いていた。

滴る肉汁やチーズを決して汚らしくあふれさせることなく、絶妙な手さばきで口へと運んでいく。

大きな食べ物を口いっぱいに頬張っているはずなのに、その仕草や横顔はどこか見惚れてしまうほど端正だ。

ーーモグモグ…

咀嚼するたびに、望の喉が男らしく動いた。