選ばれた花嫁は蛇神の求愛を受ける

一方で、すもものいる村には蛇神を祀る神社とは別に祟り神ではなく、稲荷神様として村人に絶大に信仰されている大きな神社があった。

豪華絢爛な一室の御簾の中で誰かが御使いと思われる狐と主人と思われる男が会話をしていた。

「何?それは本当か
蛇神よ。水臭いやつだ。これは花嫁を拝まなければいけないな」

怪しく光る月明かりの中、ケンケーンという御使いの鳴き声とフフフと黄金色の尻尾を揺らしながら笑う主人がいた。

蛇神達に何者かが立ち向かう嫌な気配がした。



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蛇神様の神社で私の仕事は料理と桃の水やりだけになった。

旦那様曰く
「あとは全て式神に任せるから他の事はお前さんはしなくていい」

ゆっくり、過ごしなさいと言われたがそれじゃあ家事も神社の巫女としても仕事をしてない事になる。

せめて神社での仕事を1つだけでもくださいというと、彼は渋々境内のはわき掃除を式神とするのはどうかと提案してくれた。

ただし、あくまで中心になって掃除、洗濯、買い物は式神に任せるようにと言われた。


「お前さんの家事がどうこうじゃなく、わしがお前さんに仕事を増やすのが嫌なんじゃ。分かっておくれ」



しゅん、と下から見上げてられて彼からお願いされる。
旦那様は少々過保護ではと思ったが彼の心遣いが嬉しかった。私もそれを聞き入れる事しか出来なかった。

旦那様は優しい。

それでも、料理はお前さんのが食べたいと言われ上機嫌になった私は境内の掃除中に

(今日の夕食は何にしよう)

と考えていた。

不思議だ。
今まで料理を家族に振舞っていた事もあったのだが姉の方が料理は上手いのだ。

もちろん、家族は美味いと言ってくれたが家族と旦那様に作るとでは意味合いが違ってくる。


作り甲斐があるものだ。

そうと決まれば持って来た嫁入り道具の中にあった
料理の本を見ながら今日の夕食の献立を組もうとしていた。

すると視界にこちらに向かう誰かの足元が見えた。