どうしたら分かってくれるのだろう。
分かってほしい。
どうにかして・・・。
その時一つの口実がうかんだ。
いささか乱暴だが家族に納得してほしいが為
「旦那様と私はちゃんと夫婦酒を交わしました!」
と言うと
「ブハッ」
と今度は稲荷様が笑い出した。
そう来たか・・・と彼はケラケラ笑い
稲荷様は村人に驚く言葉で問いかけた。
「あはは。私は見事に振られたものだ。
花嫁がいうから蛇神は祟り神とはいえさぞかし無害な奴なのだろう」
「!」
この、助け船とも取れる言葉には、私や旦那様を含めこの場にいた全員が驚いた。
「狐神・・・」
助けてくれるのかという眼差しで旦那様は稲荷様を見上げた。
「勘違いするなよ。
お前は私の格下に過ぎない。
花嫁に振られ取り合う醜態を村人に見せるなんて事私はしないだけさ」
そう告げると稲荷様は術で旦那様はいつもの白い袴を黒の婿衣装に変えた。
「さあ、神前式だ。特別に私から祝ってあげよう」
稲荷様の一言で村人は一斉に拍手を上げた。
その中で優しい眼差しで拍手をしている家族を見つける。
(信じられない!)
望んでいた光景が目の前で起きている。
旦那様との結婚がみんなに認められたのだ。
みんなの目の前で2回目の夫婦酒を交わすとまた歓声がおこる。
「旦那様、幸せですね」
横にいる彼にそう問いかける。
「ああ、全くお前さんには敵わんよ」
そうはにかんだ笑顔を浮かべると彼は私に口付けをした。


