「そっかあ。ひろ子おばちゃんも『あまりにもキツかった』って言ってたしな。相当大変なんだね。コンサルタントの仕事って」
「うーん……それはちょっとあれかな」
「何?」
「本人が『どうなりたいか』によるかな、私達がやっていたことって。私は『どんどん成果を出したい』って思ってから。だから自分でどんどん学んで、成果を出していったんだよ」
アルバイトもしていない、社会に出て実際に仕事に就いた経験もない冬華には、少し難しいかも知れないなと思った。冬華なりに理解しようとしているのは伝わるけれど。
「なるほどなあ。仕事って言っても色々あるってことか」
「……まあ、そうね」
「お母さんってさ、後悔してる?」
まただ。冬華の言葉がすっと胸の奥まで入ってくるのは。
「後悔? 後悔って?」
「だって……体調もあまり良くなさそうだし。それで今はスーパーで働いてるんでしょ?」
「ん? ひろ子が言ってた?」
「ううん。見てれば分かるよ、それくらいさ」
色々な想いが同時に頭の中に広がっていく。昔の私だったらどうしていたんだろう。同時並行で無機質に色々な情報を『さばいて』いたのかも知れないな。……30歳の私なら、きっとそうしていんだろうなと思った。
「後悔なんかしてないよ」
「そっか」
今の私の正直な気持ちだった。
あの時は本当に色々あった。『あの時』なんて一言で済ますことなんて、できないくらい。
でも、今の私の心は『後悔していない』と言っている。それは屈託のない事実。人生って不思議なもの。
「でも、どうしてそう思うの? 急に『後悔』なんて」
「ん? 何だろうな……『戻りたい』って思うのかな、とか……まあ、そんな感じ?」
「ははは、それはどうかな」
「体調がだよ? 前見たいにバリバリやれる! みたいになっても? 戻らない?」
「考えたみたことないなあ」
「じゃ、今考えて! ねえってば!」
最近体調が以前に比べれば、だいぶ良くなってきてはいる。でもなかなか以前のように完全に戻る気配はない。仮に、もしも体調が完全に元通りになったら……私はどうするんだろう。
「ねえってば」
「……戻らないかな」
「え? パートの方が良いってこと?」
「そうじゃないよ」
純粋な冬華の意見に、思わず笑みがこぼれてしまった。
「じゃあ、なんで? お給料だって今よりもずっと良いでしょ?」
「そうねえ」
「……うん」
私はちょっと時間を開けて、冬華の目を見ながら答えた。
「きっと今が、幸せだからじゃないかな。あなた達も毎日頑張ってくれてるし」
……まだ冬華には分からないかも知れないなと思った。でも、これが『今の私』の偽りのない正直な言葉だった。
「うーん……それはちょっとあれかな」
「何?」
「本人が『どうなりたいか』によるかな、私達がやっていたことって。私は『どんどん成果を出したい』って思ってから。だから自分でどんどん学んで、成果を出していったんだよ」
アルバイトもしていない、社会に出て実際に仕事に就いた経験もない冬華には、少し難しいかも知れないなと思った。冬華なりに理解しようとしているのは伝わるけれど。
「なるほどなあ。仕事って言っても色々あるってことか」
「……まあ、そうね」
「お母さんってさ、後悔してる?」
まただ。冬華の言葉がすっと胸の奥まで入ってくるのは。
「後悔? 後悔って?」
「だって……体調もあまり良くなさそうだし。それで今はスーパーで働いてるんでしょ?」
「ん? ひろ子が言ってた?」
「ううん。見てれば分かるよ、それくらいさ」
色々な想いが同時に頭の中に広がっていく。昔の私だったらどうしていたんだろう。同時並行で無機質に色々な情報を『さばいて』いたのかも知れないな。……30歳の私なら、きっとそうしていんだろうなと思った。
「後悔なんかしてないよ」
「そっか」
今の私の正直な気持ちだった。
あの時は本当に色々あった。『あの時』なんて一言で済ますことなんて、できないくらい。
でも、今の私の心は『後悔していない』と言っている。それは屈託のない事実。人生って不思議なもの。
「でも、どうしてそう思うの? 急に『後悔』なんて」
「ん? 何だろうな……『戻りたい』って思うのかな、とか……まあ、そんな感じ?」
「ははは、それはどうかな」
「体調がだよ? 前見たいにバリバリやれる! みたいになっても? 戻らない?」
「考えたみたことないなあ」
「じゃ、今考えて! ねえってば!」
最近体調が以前に比べれば、だいぶ良くなってきてはいる。でもなかなか以前のように完全に戻る気配はない。仮に、もしも体調が完全に元通りになったら……私はどうするんだろう。
「ねえってば」
「……戻らないかな」
「え? パートの方が良いってこと?」
「そうじゃないよ」
純粋な冬華の意見に、思わず笑みがこぼれてしまった。
「じゃあ、なんで? お給料だって今よりもずっと良いでしょ?」
「そうねえ」
「……うん」
私はちょっと時間を開けて、冬華の目を見ながら答えた。
「きっと今が、幸せだからじゃないかな。あなた達も毎日頑張ってくれてるし」
……まだ冬華には分からないかも知れないなと思った。でも、これが『今の私』の偽りのない正直な言葉だった。



