正解のない喫茶店〜十七歳の迷い人たちへ〜

「この店には、メニューがないんだ」


「え?」


「お客さんに合ったものをお出しする。それが、この店のルールなんだ」



メニューがない?


言っている意味がわからず、思わず首を傾げる。



「要望があるようだったらなんでも作るよ」



優しく微笑まれ、咄嗟に愛想笑いを返す。


“なんでも”


それは、私のよく使う口癖だ。



「えっと…ここに来る人は例えばどのようなものを頼まれるんですか?」


「そうだなぁ。ここに来る方たちはみんな何かしらの悩みを抱えているから。僕はそんな方たちの悩みを聞いて、基本的には飲み物をお出しすることがほとんどかな。見ての通り、コーヒーが自慢の店でもあるからね」