正解のない喫茶店〜十七歳の迷い人たちへ〜

最後にスパイクを決めた本人である彼女は、まんざらでもない顔で頭をかいている。



「そうかな?いやーあの時はたまたま最後にチャンスが回ってきただけで。部活なんて真面目にやってても、結果はほんの一握りの人にしか向かないから大変だよ」



汗だくなことも忘れてみんなして抱き合って喜んでいた、優勝した時のバレー部の姿を思い出す。


努力が実を結ぶ経験をした彼女たちは、私なんかよりもずっと大人だ。


毎日をなんとなく生きている私と違って、目標に向かって努力する彼女たちにとって何気ない今日も忘れることはないんだろう。



「眩しいな…」


「え?」



教室に着き、先に中に入った彼女がきょとんとした顔で振り返ってきた。



「ううん、なんでもない」



夏の太陽よりも、汗を流しながらも楽しそうに部活に取り組む彼女たちの方が、よっぽど眩しいと思った。