食堂に着くと、詩織と美咲ちゃんが席を取って、先に食べ始めていた。
「美咲ちゃんが食べてるのって、10食限定のスペシャルランチじゃん」
1日10食限定のスペシャルランチは季節によってメニューが変わる。値段が1200円と高校生にとっては少々お高いが、それに見合った豪華なランチが食堂で食べられる。今は6月なので、夏季限定のスペシャル海鮮丼。大きな丼の上に余すことなくいろんな種類の魚介がのっていて、おいしそうに輝いている。
「これが食べたくて早く来たんだけど、ちょうどあと一食しか残ってなくて、詩織が譲ってくれたの」
毛先をふわふわに巻いた髪を揺らしながらありがとね~と詩織にお礼を言っている。幸せそうに海鮮丼を頬張っている姿が小動物みたいだ。
「わたしはカレーの口だったから、これでいいの」
「優しいよね~もう大好き~」
淡々とビーフカレーを口に運ぶ詩織と、ふにゃふにゃ楽しそうに話しながら海鮮丼を頬張る美咲ちゃん。真逆な二人なのに、相性はいいらしい。
「そういえば俺も、蒼真に譲ってもらったことあったな」
どうしても焼肉定食が食べたくて、最後の一食をゲットした蒼真に譲ってもらった。蒼真も食べたかっただろうに、半分ずつわけて食べればよかった。今更そんなこと思ってももう遅いけど。
「浅葉くんは一緒じゃないの?」
「今日は放送部の人と食べるって」
「そうなんだ、めずらしいね」
まだ途中なのに、詩織がスプーンを置いた。矢野と美咲ちゃんが楽しそうに話しているのをチラと確認してから俺に手招きをする。なんだろうと思いながら、詩織に耳を貸す。
「あんたたち、やっとつき合い始めたの?」
「はあ?」
詩織が突拍子もないことを聞いてきたので驚いて声を上げてしまった。詩織はうるさそうに眉根を寄せる。
「……ここ最近、葉琉が浅葉くんを見る目が変わったから、やっと自覚したのかと思って」
たぶん、催眠術がかかっている時のことを言っているのだろう。観察眼が鋭すぎて怖い。
「……んなわけないじゃん」
「なーんだ。違うのか」
つまらなそうにため息をついたかと思えば、またスプーンを持ってカレーを食べ始める。
「っつか、自覚ってなんだよ」
詩織の言葉が引っかかり、つっこんで聞いてみると、呆れたように目を細めて俺をみた。
「自分の胸に手を当ててよく考えてみたら?」
今日は頭がパンクするほど蒼真のことを考えているのに、詩織にまでそんなことを言われたら本当に頭が爆発してしまうんじゃないか。
また頭を抱えて硬直している俺を、矢野が手を引っ張って食堂の列に連れて行ってくれた。
「美咲ちゃんが食べてるのって、10食限定のスペシャルランチじゃん」
1日10食限定のスペシャルランチは季節によってメニューが変わる。値段が1200円と高校生にとっては少々お高いが、それに見合った豪華なランチが食堂で食べられる。今は6月なので、夏季限定のスペシャル海鮮丼。大きな丼の上に余すことなくいろんな種類の魚介がのっていて、おいしそうに輝いている。
「これが食べたくて早く来たんだけど、ちょうどあと一食しか残ってなくて、詩織が譲ってくれたの」
毛先をふわふわに巻いた髪を揺らしながらありがとね~と詩織にお礼を言っている。幸せそうに海鮮丼を頬張っている姿が小動物みたいだ。
「わたしはカレーの口だったから、これでいいの」
「優しいよね~もう大好き~」
淡々とビーフカレーを口に運ぶ詩織と、ふにゃふにゃ楽しそうに話しながら海鮮丼を頬張る美咲ちゃん。真逆な二人なのに、相性はいいらしい。
「そういえば俺も、蒼真に譲ってもらったことあったな」
どうしても焼肉定食が食べたくて、最後の一食をゲットした蒼真に譲ってもらった。蒼真も食べたかっただろうに、半分ずつわけて食べればよかった。今更そんなこと思ってももう遅いけど。
「浅葉くんは一緒じゃないの?」
「今日は放送部の人と食べるって」
「そうなんだ、めずらしいね」
まだ途中なのに、詩織がスプーンを置いた。矢野と美咲ちゃんが楽しそうに話しているのをチラと確認してから俺に手招きをする。なんだろうと思いながら、詩織に耳を貸す。
「あんたたち、やっとつき合い始めたの?」
「はあ?」
詩織が突拍子もないことを聞いてきたので驚いて声を上げてしまった。詩織はうるさそうに眉根を寄せる。
「……ここ最近、葉琉が浅葉くんを見る目が変わったから、やっと自覚したのかと思って」
たぶん、催眠術がかかっている時のことを言っているのだろう。観察眼が鋭すぎて怖い。
「……んなわけないじゃん」
「なーんだ。違うのか」
つまらなそうにため息をついたかと思えば、またスプーンを持ってカレーを食べ始める。
「っつか、自覚ってなんだよ」
詩織の言葉が引っかかり、つっこんで聞いてみると、呆れたように目を細めて俺をみた。
「自分の胸に手を当ててよく考えてみたら?」
今日は頭がパンクするほど蒼真のことを考えているのに、詩織にまでそんなことを言われたら本当に頭が爆発してしまうんじゃないか。
また頭を抱えて硬直している俺を、矢野が手を引っ張って食堂の列に連れて行ってくれた。



