キラキラ エフェクトがかかった幼なじみに過剰反応して俺の身体はもう限界

 昼休み、矢野も美咲ちゃんと食堂へいくらしい。美咲ちゃんと詩織は友達なので、四人で一緒に食べることになった。案の定、蒼真は放送部の奴らと食べるらしい。美咲ちゃんと詩織とは食堂で待ち合わせている。先に着いた方が席を取っておくことになっている。

 「最近さ、美咲ちゃんの束縛がひどいんだよね~」

 食堂へ向かう途中で、矢野がのろけ話を始めた。口ではひどいと言っているが、なんだかうれしそうにニヤニヤしている。

 「ひどいって、どんな感じ?」

 俺が詳しく聞くと、待ってましたと言わんばかりに口を開いた。

 「それがさ、俺が他の女子と話してるだけで怒るんだよ」
 「え、そうなんだ」
 「用があって話してるだけなのにさ、わたし以外の女子と話さないでって無茶なこと言い出してさ」
 「……へぇ~」
 「まぁ、それだけ俺も愛されてるってことなんだけどさ。こんなことで嫉妬するなんて、かわいいよな~」

 美咲ちゃんとのことは結局全部のろけ話にいきつくんだから、ある意味才能だと思う。話し終えて満足したのか、ウキウキとスキップし始めた。俺は矢野と少し距離をとる。思考回路がまたぐるぐると回り始めたからだ。

 俺もさっき、蒼真に対して似たようなことを考えていた。『蒼真が誰かの隣で笑っている姿なんかみたくない』と。

 「もしかして、俺……由紀ちゃんに嫉妬してたのか?」

 衝撃だった。詩織にも、過去につき合っていた二人にも、そんな感情を抱いたことはなかった。なのに、どうして蒼真に対してこんなこと思ってしまったんだろう。これも催眠術の後遺症かなにかなのか。ますますわけがわからない。

 廊下で頭を抱えて立ち尽くす俺に、早く来いよ~と浮かれ気分の矢野が手招きをする。俺はふらふらとした足取りでなんとか矢野について行った。