キラキラ エフェクトがかかった幼なじみに過剰反応して俺の身体はもう限界

 蒼真が俺を避けるようになって3日経った。さすがの矢野も、蒼真の様子がおかしいと心配している。休み時間に不自然に教室から出ていくことはなくなったけど、俺以外の人と過ごすことが多くなった。今はまた、由紀ちゃんと楽しそうに話している。もしかしたらこの距離感が普通なのかもしれない。今まで、俺と蒼真は一緒にいすぎた。催眠術のことで気まずくなってもう一緒にはいられない、と思われているのかも。このまま蒼真と一緒にいることがなくなったら、遊ぶことも話すこともなくなって、いつの間にか会うこともなくなるのかもしれない。

 (……それは嫌だ)

 蒼真と少し距離を置いたおかげで、俺にとって蒼真がどれだけ大事な存在か思い知らされた。気づけば蒼真のことを考えて、楽しかった思い出なんかを記憶の底から掘り返している。一緒にいることが当たり前だったけど、それは当たり前じゃなかった。蒼真が寄り添ってくれてたから一緒にいられたんだ。できればこれからもずっと一緒にいたいと思ってるけど、そう思っているのは俺だけなんだろう。

 (蒼真、楽しそうだな)

 遠目から見ても、やっぱり由紀ちゃんと一緒にいる時の蒼真はとてもリラックスしていてよく笑う。ここ二、三日で見た中では、一番楽しそうだ。俺と一緒にいても、もうあんな顔はしてくれないかもしれない。俺は何も言えず、視線を落とした。

 蒼真が誰かの隣で笑っている姿なんかみたくない。

 (あ……)

 この感情には覚えがある。俺が催眠術にかかって蒼真を好きになっている時も、由紀ちゃんをみて胸が痛んだ。あの時よりも、胸の痛みは深く広がっている気がする。
 ヴ―とポケットでスマホが鳴って、詩織からメッセージがきていた。

 『お昼、食堂で一緒に食べない?』

 たぶん今日も蒼真は別の奴と食べるだろうから『いいよ』と詩織に短く返事をした。そういえば、詩織とつき合っている時、詩織が他の奴と楽しそうに話していてもこんなに胸が痛むことはなかったな。この感情は、蒼真に対してだけのものなのだろうか。

 「あ゛~~~~」

 色々考えすぎて頭が爆発しそうだ。机に突っ伏していると、美咲ちゃんのところから帰ってきた矢野に大丈夫かよと笑われた。