キラキラ エフェクトがかかった幼なじみに過剰反応して俺の身体はもう限界

 翌朝、蒼真からラインがきた。『寝坊した 先にいってて~』というメッセージと共に、柴犬のキャラが両手を合わせて謝っているスタンプも一緒に送られてきた。俺は『わかった』と短い返信と、蒼真に似てるアルパカのキャラのスタンプを送ってから家を出た。

 高校に入学してから一緒に登校しない日は初めてかもしれない。まだ少し痛む足を引きずって、いつも蒼真と歩いている通学路を一人で歩く。蒼真が隣にいないと周りの様子が良く目に入る。今日は可燃ごみの日で、ゴミ捨て場にパンパンに詰まったゴミ袋が山盛りになっているとか。昨夜の雨でできた水たまりに太陽の光が反射して光っているとか。その水たまりに小学生が足をつっこんでバシャバシャ遊んでいるとか。蒼真といたら見逃している日常の風景。蒼真が隣にいる時はずっと、蒼真をみて蒼真と話をしているから、蒼真しか目に入ってなかったんだ。

 学校に着いてからしばらくして、蒼真が教室に入ってきた。

 「蒼真!」

 俺は慌てて蒼真の元へいく。

 「あ、おはよ」

 力なく笑う蒼真の目元は赤く腫れていた。昨日より酷くなっている。

 「また泣いてたのか?」

 蒼真は穏やかに笑ってから目をそらした。

 「違うよ。矢野が言ってたゲーム、ダウンロードしてやり始めたら止まらなくて、気づいたら朝になってた。それで寝坊しちゃったんだよね」

 蒼真はウソをつくとき、必要以上に早口になる。自分でその癖に気づいてないらしい。

 (ウソつくの下手だよな)

 蒼真は顔を洗ってくると言って教室を出て行った。それから担任が来るまで、教室に戻ってこなかった。

 ◇◇◇◇

 それから休み時間のたびに教室から出ていき、チャイムが鳴ったら教室に戻ってくる。昼休みは眠いからと言って保健室に行ったきり戻ってこなかった。そういう日もあるだろ、と矢野はあまり気にしていなかったけど、こんな日は初めてだ。俺のことを避けているんだと思う。心に隙間ができたみたいに寂しくて、油断したら泣いてしまいそうだ。蒼真も俺に避けられていた時、こんな気持ちだったのかもしれない。

 蒼真、ごめん