来世まで、貴方のお傍に。


傍で見ていた旦那様の側近が関心しながら褒めてくれた。旦那様は仕事の時は一言二言程話をしてくれた。

思いの外仕事はやりやすくて依頼があってもすぐに片付けることができた。そんな中、側近はいつも旦那様の隣で見ていて私のこともじっと観察している。

「そこまでの力じゃありませんよ。元々お父様とお姉様と異能を使って、少しばかりですが仕事を手伝っていたので」

「そうですか。いやー、このような素晴らしい女性と結婚できたのは羨ましい。当主様は運が良かったですね?」

私の反応に大袈裟なくらい褒める側近。私は苦笑いしながらちらっと旦那様を見る。

だけど旦那様は無表情でやはり何を考えているのか分からない。

「……」

「おや、無視ですか?なぜ花嫁様のことを見ないのです?」

「……黙れ。行くぞ」

その態度に若干苛ついたが別に気にはしない。

……気にはしない。

椿さんに変なことを言ってしまったせいかなんか今日の態度に苛ついてしまった。もうなんだか自分がめんどくさい。

早くこの契約婚が終わらないかな。

私はそっとため息を着いて旦那様の後ろを歩いていった。


「……これはなんだ?」

その日の夜。

仕事を無事に終えて、夕食を済ませた私たちは部屋に戻る。

相変わらず何も話さず私には見向きもしないで終わった時間。部屋に戻った瞬間、旦那様が小さく声をあげた。

後ろにいた私はそっと顔を覗かせて中の様子を伺う。

「これって……」

「……ったく、誰だ。今日布団を用意したのは」

目に飛び込んできたのは敷布団がひとつしかないこと。それを見て旦那様は嫌気がさしたのか不機嫌になる。

……多分、この布団を用意したのは椿さんだ。今朝呟いていたのはこのことだったのか。

「使用人に布団追加で貰ってくる。貴様と二人で寝るなんて考えただけでもゾッとするからな」

「……かしこまりました」

旦那様は冷たく言い放つとくるっと背を向ける。旦那様の性格をわかっていたつもりだったけどここまではっきり言われたらさすがの私でも傷つく。

「当主様。花嫁様にそこまで言わなくてもいいのではないですか?」

ため息を着きそうになっていると聞き覚えのある声が聞こえた。ハッとして顔をあげるとそこには椿さんが立っている。

旦那様の行く手を阻むように、じろっと睨みつけていた。

「この布団の犯人はお前か。余計なことはするな。さっさといつも通り戻せ」

「嫌です。花嫁様からお話聞きましたよ。当主様の女性嫌いは重々承知してますがもう少しお互い歩み寄ったらどうですか?」