『お前、誰?』――朝の光と、強面イケメンと、戻らない記憶。

圭人は何も文句を言わずに、俺のなすがままでいてくれた。
……若干、彼の息子は成長した気はするが。

真面目で可愛い圭人に、悪戯好きらしい俺の血が騒ぐ。ワクワクしっぱなしだ。

ただ、今朝目撃したあの『凶悪なバズーカ』に直接悪戯を仕掛ける勇気はさすがにないので、ほっぺに「ちゅっ」とする程度に留めておく。

圭人はキスされるたびにピキッと固まっていたけれど、書類を書く手はずっと動かしていた。
……可愛い奴め。

楽しくなってきた俺は、今度はガッツリと圭人に向き合って首に手を回し、おでこにちゅーしてみた。

――と、ついに圭人も我慢の限界がきたらしい。

カラン、と羽根ペンを投げ出して、俺の背中に力強く手を回してきた。

……っという、まさに良いところで。

ガララッ!!

と、事務所のドアが、大きな音を立てて勢いよく開かれた。

「――志津様!!」

数人の声が、まるで訓練された軍隊のように一斉に響き渡る。
俺の名前。しかも『様』付け。……あぁ、これが噂の『ファン』か。

扉の向こうにいたのは、どの子もめちゃくちゃ可愛い子ばかり。
だが、立ち位置には明らかな上下関係が見える。さすがは軍隊だ。

予想外の乱入に驚いて固まる俺と、あからさまにイラついている圭人。

そんな張り詰めた空気をモノともせず、一番偉い人っぽい可愛い子が、俺にニッコリと満面の笑みで話しかけてきた。

「志津様、遂にあの堅物騎士を落とされたのですね!是非、3Pの折は我らをお使い下さい」


……
………え?

やだ、この子。……めちゃくちゃ怖い子じゃん。

――◇――

ひとまず、俺は圭人の膝から降り、偉い人が座りそうな立派なソファへと席を移した。

現在の室内の顔ぶれは、俺と圭人。そして向かい側のソファに座る可愛い子三人。
三人とも終始満面の笑みを浮かべているのだが、正直怖い。

圭人が、俺の昨日からの状況を、行為についてだけ端折って、端的に説明してくれた。
「記憶がない」という部分では、当然三人はものすごく驚いていた。

だが当然、さっきまで俺が圭人の膝に乗っていた『あの体勢』についての詳しい説明を求められる。
特に深い理由はないので、正直に「乗りたかったから乗ってた」と伝えた。

すると、秒で納得された。
すんなりと納得されてしまったのだ。

んで、最終的にやっぱり、また3Pの話に戻された。

「もし、可愛がられている時に、前が寂しくなった場合は、遠慮なく我々の穴をお使い下さい!」とか満面の笑みで言われた。

マジで怖い。
お願いだから、清いお付き合いをさせてください……。