14日後、高砂くんとのキスを僕はとめたい。


ヒマだなぁ〜本屋にでも行ってくるか…。

友達とつるんでどこかに行くことがあまり得意ではない俺は一人で行動する事が多い。
土曜や日曜日も同じ。

「行ってきます」

「どこ行くの?」

「本屋」

「そう、気をつけてね」

家では最低限の会話だけ。
どこでもこんな感じなのかな?
母親もあれこれ詮索するタイプの人ではないから気が楽ではあるけど。


ガチャ

門をでて歩き慣れた道を一人で進んでいく。

あっ、そう言えば…。
青がなんかの店を探してぐるぐるしてた所ってこの辺だったよな。

えっと確かここを右に曲がって。

あぁ、そうそう、ここ…。

店の前で立ち止まって中の様子を伺ってみる。
前も思ったけど、なんか雰囲気のある店だよなぁ…。
ガラス細工や天然石のブレスレットが並んでいる。
店先から見えるだけでも俺が入るような店ではなさそう。

ここでなにを買ったんだろう?


「ふっ」

おもいがけず…の思い出し笑い。
俺が声をかけた時のあの驚きよう。
アイツ、めちゃくちゃ慌ててたよな。

一人で笑ってるなんて、誰かに見たらたら恥ずかしい。
気をつけないと…。
でも青って見てると面白くて飽きないんだよな。

う〜ん、どんな店なのか気にはなるけど、入るかって言ったらなんか違う気がする。
俺が入るような店ではないな。

「・・・・・やっぱりやめた」

さっ、本を買いに行くか…。
くるっと向きを変えて再び歩き始めた。

10分も歩くといつもの本屋に着いた。

あ〜ぁ、涼しい。

店内をぐるっと一周歩くだけで火照った体が少しづつ冷えていく。
買う本はもう決まっている。

「えっと、確かこのへんに下巻があるはず」

この前、学校の屋上で読んでた本の続編が発売になったんだよな。本の一番最後のページに発売予定日が載っていたけどずっと遅れていて、やっと発売日が決まったってスマホのお勧めに出てきた。

「あった、これこれ」

一冊とってレジに持っていく。
「すいません、ブックカバーの方でお願いします」

「分かりました。850円になります」


さてと…、本も買ったし家に帰ろうかな。
なんとなくパラパラっと本をめくってみた。

そう言えば放課後、屋上で本を読んでた時に青がいきなり現れて『飛んでけ〜っ』って大声だしてたな。
今どき子供でもやらないよ、あんなこと。

あの紙にはなにが書いてあったんだろう?
中は見なかったけど、あの慌てよう…。
相当見て欲しくないことが書かれていたのは簡単に想像できるんだけどさ。


でも…なんであんなに俺のこと避けるんだろ?
避けるって言うより俺に戸惑ってる?
何かしたかな…。

まあ、いいや。

早く家に帰って本の続きをゆっくり読もう。

「ただいま〜」

「おかえり。外は暑かったよでしょ。冷蔵庫に冷たいお茶があるわよ」

「うん、分かった」

冷蔵庫からお茶を取り出した。

コポコポコポッ…。

グラスいっぱいに注いで部屋に戻る。

「よいしょ」
クッションの上に腰を下ろした。
キンキンに冷えたお茶を飲みながら本を読む至福の時間。

あぁ、幸せかも…。

そう言えば、本を買った時にお店の人がサービスでしおりを挟んでくれたっけ。
何気に手に取って裏を見てみた。
しおりには今イチオシであろう広告が印刷されている。

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夢占い

夢…?
夢占いか…。
なんかそんなような話、聞いた気がするな。
どこでだっけ?
そうそう!
国語の授業だ。

確か夢を回避するおまじないの話をしてた時だったよな。

先生が正夢の話をして。

なんでアイツあの時急に立ち上がったんだろう?

…って待て待て。
なんでこんなに引っかかるんだろう?

パタンッ

思わず本を閉じた。

あぁ〜、もう調子狂うな。
そもそも俺の事をあんなに見てくるヤツなんて今までいなかったし。なのに避けるとか、訳わかんない。
好奇心とか不快感で見てるわけではなさそうなんだよな。
なんかもっと違う意味で……あーっ、上手く言えないんだけど。


まあ、いいか。
月曜日になれば分かるだろ。
振り向いたら後ろに座ってるんだから。
聞けばいいだけの話。

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