木嶋さんと里穂さんに言われ、短大を受験した。
高校を卒業すると、木嶋さんと里穂さんがお祝いをしてくれた。
卒業祝いは、ふたりの住むマンションの鍵のかかる部屋。
木嶋さんは仕事で帰りの遅い日が多いから、里穂さんとふたりで過ごすことが多く、そんな日はふたりでベランダから外を見ながら話をした。
「バイトを減らせばいいのに。私は胡桃ちゃんがいてくれるから寂しくないんだよ」
「それはだめ。ちゃんと生活費を渡したいから」
「律儀だなー。そんなに真面目だと疲れちゃうよ? もっと楽になんなよ」
梶葉くんにも考えすぎだ、ってよく言われたな……
「私は、毎日キツくて、何度も死にたいって思ってた。耀司がいなかったらきっと今ここにいない。胡桃ちゃんにもそういうひとがいるの?」
いるけど、いないようなもの。
「好きなひとはいます」
「そのひととはどうなのっ?」
めずらしく前のめりな里穂さんに驚きながら返事を返す。
「今はアメリカにいて、数年後に日本へ帰って来るけど、すっごい好きな彼女が出来る予定だから」
「それ予言? それは胡桃ちゃんじゃないの?」
「残念ながらわたしじゃないです」
「夏目昴」という名前を検索するのが日課みたいになっている。
いつ本が出版されるのか聞いておけば良かったと思ったこともあったけど、名前が出て来るのをワクワクしながら待つのも悪くない。
梶葉くんの書いた本が出たら必ず買うと決めている。
もう一度最初から読んで、ファンレターを書くつもり。匿名なら許されるよね?
高校を卒業すると、木嶋さんと里穂さんがお祝いをしてくれた。
卒業祝いは、ふたりの住むマンションの鍵のかかる部屋。
木嶋さんは仕事で帰りの遅い日が多いから、里穂さんとふたりで過ごすことが多く、そんな日はふたりでベランダから外を見ながら話をした。
「バイトを減らせばいいのに。私は胡桃ちゃんがいてくれるから寂しくないんだよ」
「それはだめ。ちゃんと生活費を渡したいから」
「律儀だなー。そんなに真面目だと疲れちゃうよ? もっと楽になんなよ」
梶葉くんにも考えすぎだ、ってよく言われたな……
「私は、毎日キツくて、何度も死にたいって思ってた。耀司がいなかったらきっと今ここにいない。胡桃ちゃんにもそういうひとがいるの?」
いるけど、いないようなもの。
「好きなひとはいます」
「そのひととはどうなのっ?」
めずらしく前のめりな里穂さんに驚きながら返事を返す。
「今はアメリカにいて、数年後に日本へ帰って来るけど、すっごい好きな彼女が出来る予定だから」
「それ予言? それは胡桃ちゃんじゃないの?」
「残念ながらわたしじゃないです」
「夏目昴」という名前を検索するのが日課みたいになっている。
いつ本が出版されるのか聞いておけば良かったと思ったこともあったけど、名前が出て来るのをワクワクしながら待つのも悪くない。
梶葉くんの書いた本が出たら必ず買うと決めている。
もう一度最初から読んで、ファンレターを書くつもり。匿名なら許されるよね?
