「里穂さんのお母さんとも結婚してたんですか?」
「うちは、いわゆる事実婚ってやつ。母親の仕事が水商売だったから体裁を気にしたんだと思う。付き合ってるのも周りに隠してたみたいだし」
だから戸籍上はバツイチなんだ。
「母親との関係が悪くないなら、あいつのことで気になってることをちゃんと話した方がいい」
ずっとひとりでわたしを育ててくれたお母さんは、再婚してから笑顔が増えた。
そんなお母さんに話す?
「耀司を探してまで話を聞きたいと思ったのは、あいつがおかしいとわかったからでしょ? 迷ってる場合じゃないと思うよ。あいつさぁ、いい会社に勤めてて、それなりの役職についてて、周りからも『いいひとだね』とか言われてるでしょ?」
こくりと頷いたわたしの頭を里穂さんは優しく撫でた。
「自分の長くて黒い髪の毛が好きだった。でも、私の髪を撫で付けたあいつの手の感触を、今も忘れることができないでいる」
里穂さんはわたしの髪の毛にふれていた手で今度は自分の茶色い髪の毛を掴んで小さく口角を上げた。
それで、ショートカットにしたの?
茶色いのも、それが理由?
「……母親が店のスタッフ達と慰安旅行に行って留守にしてた日の夜だった。酔ったあいつが部屋に入って来たの」
どんな顔をしていたのか自分ではわからなかったけれど、里穂さんはわたしに笑いかけてくれた。
でもその瞳には涙がにじんでいて……
「うちは、いわゆる事実婚ってやつ。母親の仕事が水商売だったから体裁を気にしたんだと思う。付き合ってるのも周りに隠してたみたいだし」
だから戸籍上はバツイチなんだ。
「母親との関係が悪くないなら、あいつのことで気になってることをちゃんと話した方がいい」
ずっとひとりでわたしを育ててくれたお母さんは、再婚してから笑顔が増えた。
そんなお母さんに話す?
「耀司を探してまで話を聞きたいと思ったのは、あいつがおかしいとわかったからでしょ? 迷ってる場合じゃないと思うよ。あいつさぁ、いい会社に勤めてて、それなりの役職についてて、周りからも『いいひとだね』とか言われてるでしょ?」
こくりと頷いたわたしの頭を里穂さんは優しく撫でた。
「自分の長くて黒い髪の毛が好きだった。でも、私の髪を撫で付けたあいつの手の感触を、今も忘れることができないでいる」
里穂さんはわたしの髪の毛にふれていた手で今度は自分の茶色い髪の毛を掴んで小さく口角を上げた。
それで、ショートカットにしたの?
茶色いのも、それが理由?
「……母親が店のスタッフ達と慰安旅行に行って留守にしてた日の夜だった。酔ったあいつが部屋に入って来たの」
どんな顔をしていたのか自分ではわからなかったけれど、里穂さんはわたしに笑いかけてくれた。
でもその瞳には涙がにじんでいて……
