冬休みが終わって新学期が始まる頃には、初詣で言われた失礼なことなんて頭の隅っこにおいやられて気にもしなくなっていた。
わたしと梶葉くんの関係は相変わらずで、教室の中ではそんなに話したりはしないけれど、ほとんどの放課後を一緒に過ごした。
ただ、冬は陽が落ちるのが早いから下校時間もそれに合わせて早くなる。
だから、だんだん一緒にいる時間は短くなっていた。
「さむーいっ」
暖房のきいていた図書室を出ると一気に冬の寒さで体が冷えていく。
「冬だから」
梶葉くんは寒さなんて感じないのか、いつもと変わらない。
でも、よく見ると鼻の頭は赤くなっていたから、やっぱり寒いんだと思いながら隣を歩いた。
「今年はスーパー・ブルー・ブラッドムーンなんだ」
星の話をしている時の梶葉くんはいつも嬉しそう。
「呪文みたいだね。何かすごいこと?」
「月が大きく見えるスーパームーンと、1ヶ月間で満月が2回やってくるブルームーンと、月食で赤黒く見えるブラッドムーンの3つが一度に重なる皆既月食は日本で35年ぶりなんだ。次は19年後になるから絶対に見た方がいい!」
早口で一気に説明されて半分も理解できなかったけれど、すごいことだということだけはわかった。
「夜の10時から1時間くらいが一番よく見えるから、一緒に見よう!」
「そんな時間に家を出るのは無理だよ」
「わかってるよ、そのくらい。電話するから、同じ空を同じ時間に見ながら話そうよ?」
ほとんどのことはメッセージで済んでしまうし、学校へ行けば会って話せる。
だからお互いに電話番号は知っていたけれど、かけたことはなかった。
「それいつ?」
「1月31日」
「まだだいぶ先だね」
家へ帰ったら一番に机の上にある卓上カレンダーの31日に星印をつけようと頭の中で考えていた。
「19年後は一緒に見れたらいいな」
その時、「うん」と答えたのは聞こえてた?
嬉しかったのと恥ずかしかったので、すっごく小さな声になってしまったけど、聞こえてた?
聞こえてなかったよね。
梶葉くんはその後、別の話を始めたし……
わたしと梶葉くんの関係は相変わらずで、教室の中ではそんなに話したりはしないけれど、ほとんどの放課後を一緒に過ごした。
ただ、冬は陽が落ちるのが早いから下校時間もそれに合わせて早くなる。
だから、だんだん一緒にいる時間は短くなっていた。
「さむーいっ」
暖房のきいていた図書室を出ると一気に冬の寒さで体が冷えていく。
「冬だから」
梶葉くんは寒さなんて感じないのか、いつもと変わらない。
でも、よく見ると鼻の頭は赤くなっていたから、やっぱり寒いんだと思いながら隣を歩いた。
「今年はスーパー・ブルー・ブラッドムーンなんだ」
星の話をしている時の梶葉くんはいつも嬉しそう。
「呪文みたいだね。何かすごいこと?」
「月が大きく見えるスーパームーンと、1ヶ月間で満月が2回やってくるブルームーンと、月食で赤黒く見えるブラッドムーンの3つが一度に重なる皆既月食は日本で35年ぶりなんだ。次は19年後になるから絶対に見た方がいい!」
早口で一気に説明されて半分も理解できなかったけれど、すごいことだということだけはわかった。
「夜の10時から1時間くらいが一番よく見えるから、一緒に見よう!」
「そんな時間に家を出るのは無理だよ」
「わかってるよ、そのくらい。電話するから、同じ空を同じ時間に見ながら話そうよ?」
ほとんどのことはメッセージで済んでしまうし、学校へ行けば会って話せる。
だからお互いに電話番号は知っていたけれど、かけたことはなかった。
「それいつ?」
「1月31日」
「まだだいぶ先だね」
家へ帰ったら一番に机の上にある卓上カレンダーの31日に星印をつけようと頭の中で考えていた。
「19年後は一緒に見れたらいいな」
その時、「うん」と答えたのは聞こえてた?
嬉しかったのと恥ずかしかったので、すっごく小さな声になってしまったけど、聞こえてた?
聞こえてなかったよね。
梶葉くんはその後、別の話を始めたし……
