いろんな情報がごちゃ混ぜになって、また頭の中がぐちゃぐちゃだった。
家に帰ってから、疲れたと言って早々に寝室へ引きこもり、ベッドの上で膝を抱えて座ると、右手で左手をぎゅっと握った。
わたしは……援交をしていた……
梶葉くんに会った時、警察に行きたくないと強く思ったのは、援交をしていたからなのかもしれない。
そんなわけないと思いたいけれど、何も思い出せないのだから、違うとも言い切れない。
サイドテーブルを見ると、梶葉くんの書いた本が目に入ったので手に取った。
ペンネームの「夏目昴」の名字はきっと夏目漱石からとった名前。
梶葉くんは夏目漱石が好きで、作品のことをよく語っていた。
教科書に載るような小説だから面白くないものだと思っていたのに、梶葉くんが話すと面白い小説になってしまうから不思議だった。
裏表紙のあらすじを読むと、新作は女性警察官が主人公で、ふれた相手の考えていることを見る能力を持つ。犯罪者を追い詰めるのに役立つ力ではあるけれど、信じていた相手に裏切られていることも分かってしまい苦悩する、と書いてあった。
何気なく後ろの表紙をめくるとサインがしてある。
わたしが借りたのは彼女の本ではなく、梶葉くんの本だったからサインはないはずなのに、そこには梶葉くんのペンネームと、「遠夫さんへ」という名前が書かれていた。
裏表紙を見ると、そこには「非売品」というシールが貼ってある。
意味がわからなくてスマホで検索すると、これはどうやら著者献本と呼ばれるもので、実際に本が店頭に並ぶ数日前に出版社から作者へ送られる本らしい。
梶葉くんの動画配信サイトにはユーザーが2つ登録してあって、ひとつは梶葉恒の、WH。もうひとつはKTだった。
Tは遠夫のTで、これが梶葉くんの彼女の名字ということ。
家に帰ってから、疲れたと言って早々に寝室へ引きこもり、ベッドの上で膝を抱えて座ると、右手で左手をぎゅっと握った。
わたしは……援交をしていた……
梶葉くんに会った時、警察に行きたくないと強く思ったのは、援交をしていたからなのかもしれない。
そんなわけないと思いたいけれど、何も思い出せないのだから、違うとも言い切れない。
サイドテーブルを見ると、梶葉くんの書いた本が目に入ったので手に取った。
ペンネームの「夏目昴」の名字はきっと夏目漱石からとった名前。
梶葉くんは夏目漱石が好きで、作品のことをよく語っていた。
教科書に載るような小説だから面白くないものだと思っていたのに、梶葉くんが話すと面白い小説になってしまうから不思議だった。
裏表紙のあらすじを読むと、新作は女性警察官が主人公で、ふれた相手の考えていることを見る能力を持つ。犯罪者を追い詰めるのに役立つ力ではあるけれど、信じていた相手に裏切られていることも分かってしまい苦悩する、と書いてあった。
何気なく後ろの表紙をめくるとサインがしてある。
わたしが借りたのは彼女の本ではなく、梶葉くんの本だったからサインはないはずなのに、そこには梶葉くんのペンネームと、「遠夫さんへ」という名前が書かれていた。
裏表紙を見ると、そこには「非売品」というシールが貼ってある。
意味がわからなくてスマホで検索すると、これはどうやら著者献本と呼ばれるもので、実際に本が店頭に並ぶ数日前に出版社から作者へ送られる本らしい。
梶葉くんの動画配信サイトにはユーザーが2つ登録してあって、ひとつは梶葉恒の、WH。もうひとつはKTだった。
Tは遠夫のTで、これが梶葉くんの彼女の名字ということ。
