***
「聞いた!? 生徒会長と篠宮さん、番紋が出たんだって!」
「うっそ!? めっちゃお似合いじゃん!」
「ほら、あそこ!」
「本当だ……やっぱり番って運命なんだねぇ」
廊下の向こう——並んで歩く東雲と青葉へ、羨望の視線が注がれていた。秋の風に揺れる制服の袖からは、以前よりも鮮やかに色づいた番紋が覗いている。
「やっぱ、見られてるね。なんか変な感じ」
あちこちから向けられる視線に、青葉は苦笑した。
「そうだな。……でも青葉、本当に良かったの? 卒業までなら隠し通すこともできたと思うけど」
東雲のその問いに、青葉はそっと自分の左腕に視線を落とす。
かつては激しく憎み、拒絶したその紋様。姉の人生を奪った呪い。そう、思っていたもの。
でも今は——。
青葉はゆっくり首を縦に振る。
「うん。もう良いの」
背後から、誰かが「番っていいなぁ」と呟く声が聞こえてくる。
その声を聞いて、青葉は小さく笑った。
(……違うよ。番だからじゃない)
青葉はちらりと東雲の右腕を見る。
そこには自分と同じ番紋が、鮮やかに刻まれている。
けれどもう、その紋様に答えを求めることはない。
答えは、もう知っているから。
「お、いた。おーい、青葉! 東雲!」
「早く早くー! お昼食べたら遊びの計画立てるよー!」
「玲司、おせーよ! 早く行かねーと日替わり売り切れるぞ!」
颯人と伊織、成瀬の呼ぶ声に、二人は顔を見合わせた。
目が合った瞬間、同時に笑みが溢れる。
「涼真のやつ……日替わり、今日なんだっけ」
「確か、エビフライ」
「あー。じゃあ急がないとな」
「ふふっ。行こう」
二人は肩を並べて、仲間たちのもとへ歩き出した。
《END》
「聞いた!? 生徒会長と篠宮さん、番紋が出たんだって!」
「うっそ!? めっちゃお似合いじゃん!」
「ほら、あそこ!」
「本当だ……やっぱり番って運命なんだねぇ」
廊下の向こう——並んで歩く東雲と青葉へ、羨望の視線が注がれていた。秋の風に揺れる制服の袖からは、以前よりも鮮やかに色づいた番紋が覗いている。
「やっぱ、見られてるね。なんか変な感じ」
あちこちから向けられる視線に、青葉は苦笑した。
「そうだな。……でも青葉、本当に良かったの? 卒業までなら隠し通すこともできたと思うけど」
東雲のその問いに、青葉はそっと自分の左腕に視線を落とす。
かつては激しく憎み、拒絶したその紋様。姉の人生を奪った呪い。そう、思っていたもの。
でも今は——。
青葉はゆっくり首を縦に振る。
「うん。もう良いの」
背後から、誰かが「番っていいなぁ」と呟く声が聞こえてくる。
その声を聞いて、青葉は小さく笑った。
(……違うよ。番だからじゃない)
青葉はちらりと東雲の右腕を見る。
そこには自分と同じ番紋が、鮮やかに刻まれている。
けれどもう、その紋様に答えを求めることはない。
答えは、もう知っているから。
「お、いた。おーい、青葉! 東雲!」
「早く早くー! お昼食べたら遊びの計画立てるよー!」
「玲司、おせーよ! 早く行かねーと日替わり売り切れるぞ!」
颯人と伊織、成瀬の呼ぶ声に、二人は顔を見合わせた。
目が合った瞬間、同時に笑みが溢れる。
「涼真のやつ……日替わり、今日なんだっけ」
「確か、エビフライ」
「あー。じゃあ急がないとな」
「ふふっ。行こう」
二人は肩を並べて、仲間たちのもとへ歩き出した。
《END》


