その細い指先が、お兄ちゃんの手を小さな力で握り返したように見えた。
ドタバタと救急隊員たちがリビングの扉を押し開けて入ってくる。
彼らの差し出すストレッチャーの上に、和奏さんの身体が持ち上げられていくのを私はただ黙って見つめていた。
その後――和奏さんは、本当に死んだ。
あの人は生身の人間として首を吊り自ら命を絶つことで、あの死んだ幽霊という嘘を永遠に覆らない本物の真実にしてしまったのだ。
お兄ちゃんを救うために、彼女は自分で死ぬ。
これ以上ないほどの狂気の愛を遺して。
【完】
ドタバタと救急隊員たちがリビングの扉を押し開けて入ってくる。
彼らの差し出すストレッチャーの上に、和奏さんの身体が持ち上げられていくのを私はただ黙って見つめていた。
その後――和奏さんは、本当に死んだ。
あの人は生身の人間として首を吊り自ら命を絶つことで、あの死んだ幽霊という嘘を永遠に覆らない本物の真実にしてしまったのだ。
お兄ちゃんを救うために、彼女は自分で死ぬ。
これ以上ないほどの狂気の愛を遺して。
【完】



