俺は校門の近くで和奏を誘ってみた。
バイトを辞めるきっかけを作ってくれた彼女に、少しは感謝の意を示したかったし、もし良ければ拓海たちとの飯に混ざるかと思ったからだ。
だが、和奏はいつもと違って、少しだけ困ったように眉を下げて首を振った。
「ううん、私は遠慮しとく!男子たちの友情に他クラスの女子が混ざったらいやでしょ?それに……拓海くんたちと、男同士でゆっくり話したいこともあるでしょ、橘くん」
和奏はそう言って、俺の背中を手のひらで軽く押し出した。
「私のことは気にしないで、いってらっしゃい。エビフライの感想は、また明日聞かせてね」
夕日を浴びて、少しだけ寂しそうに笑った彼女の後ろ姿を見送りながら、俺は拓海と木村、そして後輩たちと駅前のファミレスへと向かった。
夕暮れ時のファミレスは、部活帰りの高校生や家族連れで賑わっていた。
ドリンクバーの甘い匂いと、鉄板から上がる肉の匂いが混ざり合う空間。
俺たちは奥のボックス席に体を滑り込ませた。
「よし!まずは瑞稀の泥沼深夜バイト脱出を祝して、乾杯!」
拓海がメロンソーダの入ったグラスを掲げると、木村や後輩たちもそれに合わせてグラスをぶつけ合った。
カラン、と氷の良い音が響く。
「先輩、本当に顔色がマシになりましたね」
木村が山盛りのフライドポテトをつまみながら、心底安心したように息を吐いた。
「悪かったよ、心配かけて。……でも、あいつに言えてなきゃ、本当に倒れるまでやってたかもしれない」
「あいつって……あの和奏って女子か?」
拓海がストローを弄びながら、ニヤニヤとした視線を俺に向けてくる。
「学校でも最近有名だぞ。あの橘瑞稀を毎日ストーキングして、美味そうな箱を貢いでる美少女がいるってな。お前、ぶっちゃけどうなんだよ。あの子のこと」
「どうって……ただのお節介な奴だよ。飯は、まあ、めちゃくちゃ美味いけど」
「へえー、飯は美味いんだ」
後輩の一人が、ニヤニヤしながら身を乗り出してきた。
「橘先輩、それ完全に胃袋掴まれてるじゃないすか!っていうか、先輩が女の子の話とか、飯が美味いとか言うの、なんか新鮮でめちゃくちゃ嬉しいっす」
「からかうな」
俺はカルピスを一口飲んで視線を逸らした。
だけど、胸の奥が熱くなるのを感じていた。
バイトを辞めるきっかけを作ってくれた彼女に、少しは感謝の意を示したかったし、もし良ければ拓海たちとの飯に混ざるかと思ったからだ。
だが、和奏はいつもと違って、少しだけ困ったように眉を下げて首を振った。
「ううん、私は遠慮しとく!男子たちの友情に他クラスの女子が混ざったらいやでしょ?それに……拓海くんたちと、男同士でゆっくり話したいこともあるでしょ、橘くん」
和奏はそう言って、俺の背中を手のひらで軽く押し出した。
「私のことは気にしないで、いってらっしゃい。エビフライの感想は、また明日聞かせてね」
夕日を浴びて、少しだけ寂しそうに笑った彼女の後ろ姿を見送りながら、俺は拓海と木村、そして後輩たちと駅前のファミレスへと向かった。
夕暮れ時のファミレスは、部活帰りの高校生や家族連れで賑わっていた。
ドリンクバーの甘い匂いと、鉄板から上がる肉の匂いが混ざり合う空間。
俺たちは奥のボックス席に体を滑り込ませた。
「よし!まずは瑞稀の泥沼深夜バイト脱出を祝して、乾杯!」
拓海がメロンソーダの入ったグラスを掲げると、木村や後輩たちもそれに合わせてグラスをぶつけ合った。
カラン、と氷の良い音が響く。
「先輩、本当に顔色がマシになりましたね」
木村が山盛りのフライドポテトをつまみながら、心底安心したように息を吐いた。
「悪かったよ、心配かけて。……でも、あいつに言えてなきゃ、本当に倒れるまでやってたかもしれない」
「あいつって……あの和奏って女子か?」
拓海がストローを弄びながら、ニヤニヤとした視線を俺に向けてくる。
「学校でも最近有名だぞ。あの橘瑞稀を毎日ストーキングして、美味そうな箱を貢いでる美少女がいるってな。お前、ぶっちゃけどうなんだよ。あの子のこと」
「どうって……ただのお節介な奴だよ。飯は、まあ、めちゃくちゃ美味いけど」
「へえー、飯は美味いんだ」
後輩の一人が、ニヤニヤしながら身を乗り出してきた。
「橘先輩、それ完全に胃袋掴まれてるじゃないすか!っていうか、先輩が女の子の話とか、飯が美味いとか言うの、なんか新鮮でめちゃくちゃ嬉しいっす」
「からかうな」
俺はカルピスを一口飲んで視線を逸らした。
だけど、胸の奥が熱くなるのを感じていた。



