あの時あれだけ「お前を応援する」と言ってくれた仲間たちだ。
これ以上、隠し事をして心配をかけるわけにはいかない。
「……実はさ、深夜にずっとバイトをしてたんだ」
「は?深夜バイト!?」
後輩が素っ頓狂な声を上げ、廊下にいた後輩たちが一斉にざわついた。
「おいおいマジかよ橘先輩!高校生が深夜労働って、それ身体ボロボロになるに決まってるじゃないですか!」
「だから最近、朝会ったときに幽霊みたいな顔してたのか……」
後輩たちが口々に驚きの声を上げる中、拓海だけは黙って俺を睨みつけていた。
その目はそこまで切羽詰まってたのかという悔しさと、止められなかった自分への怒りに満ちているようだった。
「生活保護の手続きとか、詩織の今後の入院費とか……とにかく、少しでも早くまとまった金を貯めたかったんだ。和奏に紹介してもらった、深夜のフィットネスジムの清掃バイトだよ。時給がめちゃくちゃ良くてさ」
「和奏が紹介したって、あの女子ですか?でも、いくら金が必要だからって、深夜はマズいです」
木村が腕を組んで、真剣な顔で俺に諭してくる。
「分かってる。だからさ……今日の夜、バイト先に辞めるって伝えに行こうと思ってるんだ。さすがに精神的にも肉体的にも、もう限界が近い」
俺がそう告げると、廊下に張り詰めていた空気が、ふっと一瞬で和らいだ。
「……そっか。やめるって決めたなら、安心したわ」
拓海が大きく息を吐き出し、俺の肩をガシッと力強く掴んだ。
「お前がそこまでボロボロになるまで一人で抱え込んでたのはムカつくけど、自分で限界だって気づけたなら上出来だな」
「そうですよ、橘先輩!先輩が倒れたら、俺たち誰にシュートフォーム教わればいいんですか!」
「やめるって言いに行くの、もし気まずかったら俺たちもついて行きましょうか?」
後輩たちが次々と明るい声を上げ、俺の周りを囲んでくれる。
彼らの優しさが冷え切った身体にじわじわと温かく染み渡っていくのが分かった。
「いや、やめると伝えるくらい、一人でちゃんと言ってくるよ。みんな、心配かけて悪かったな。ありがとな」
「おう。しっかり伝えてこいよ。終わったら、またいつでも体育館に顔出せよな!」
拓海がニカッと笑って俺の背中をパチンと叩く。
仲間たちに自分の状況をすべて打ち明けたことで、憑き物が落ちたように心が軽くなっていた。
よし、と胸の中で小さく気合を入れる。
今日の夜、これで本当にあの深夜バイトはおしまいだ。
和奏には後で、せっかく紹介してくれたのにごめん、とちゃんと謝らなきゃな。
これ以上、隠し事をして心配をかけるわけにはいかない。
「……実はさ、深夜にずっとバイトをしてたんだ」
「は?深夜バイト!?」
後輩が素っ頓狂な声を上げ、廊下にいた後輩たちが一斉にざわついた。
「おいおいマジかよ橘先輩!高校生が深夜労働って、それ身体ボロボロになるに決まってるじゃないですか!」
「だから最近、朝会ったときに幽霊みたいな顔してたのか……」
後輩たちが口々に驚きの声を上げる中、拓海だけは黙って俺を睨みつけていた。
その目はそこまで切羽詰まってたのかという悔しさと、止められなかった自分への怒りに満ちているようだった。
「生活保護の手続きとか、詩織の今後の入院費とか……とにかく、少しでも早くまとまった金を貯めたかったんだ。和奏に紹介してもらった、深夜のフィットネスジムの清掃バイトだよ。時給がめちゃくちゃ良くてさ」
「和奏が紹介したって、あの女子ですか?でも、いくら金が必要だからって、深夜はマズいです」
木村が腕を組んで、真剣な顔で俺に諭してくる。
「分かってる。だからさ……今日の夜、バイト先に辞めるって伝えに行こうと思ってるんだ。さすがに精神的にも肉体的にも、もう限界が近い」
俺がそう告げると、廊下に張り詰めていた空気が、ふっと一瞬で和らいだ。
「……そっか。やめるって決めたなら、安心したわ」
拓海が大きく息を吐き出し、俺の肩をガシッと力強く掴んだ。
「お前がそこまでボロボロになるまで一人で抱え込んでたのはムカつくけど、自分で限界だって気づけたなら上出来だな」
「そうですよ、橘先輩!先輩が倒れたら、俺たち誰にシュートフォーム教わればいいんですか!」
「やめるって言いに行くの、もし気まずかったら俺たちもついて行きましょうか?」
後輩たちが次々と明るい声を上げ、俺の周りを囲んでくれる。
彼らの優しさが冷え切った身体にじわじわと温かく染み渡っていくのが分かった。
「いや、やめると伝えるくらい、一人でちゃんと言ってくるよ。みんな、心配かけて悪かったな。ありがとな」
「おう。しっかり伝えてこいよ。終わったら、またいつでも体育館に顔出せよな!」
拓海がニカッと笑って俺の背中をパチンと叩く。
仲間たちに自分の状況をすべて打ち明けたことで、憑き物が落ちたように心が軽くなっていた。
よし、と胸の中で小さく気合を入れる。
今日の夜、これで本当にあの深夜バイトはおしまいだ。
和奏には後で、せっかく紹介してくれたのにごめん、とちゃんと謝らなきゃな。



