君の言葉で夢を見たい



「失礼致します。タオルをお届けにあがりました」


30代くらいの、男性スタッフだった。



「……ありがとう、ございます」



そう笑顔でお礼の言葉を口にして、綺麗に畳まれたタオルを受け取る。

男性スタッフが丁寧にお辞儀をして、ドアを音を立てずにゆっくりと閉じた。


その扉に鍵をかけて、ドアガードをして、受け取ったタオルをバスルームに置いた。

シャワーを浴びるつもりだったはずなのに、今度はうつ伏せにベッドに倒れ込むと、枕に顔を押し付けて小さく息をつく。




――そりゃそうだよな。

電話に出た人が直接部屋まで持ってくるわけがない。


これまで国内外の様々なホテルに泊まった経験から、そんなことは予想がついたはずなのに。


僕は何を期待していたんだろう――。



体をごろんとひっくり返して再び白い天井を見上げた。

さっきは気にならなかった、天井にまばらに散らばる間接照明とスプリンクラーを目で追い、すぐに飽きて目を閉じた。




……まあ、いっか。