君の言葉で夢を見たい



これからチェックインが始まる昼下がり。


客室の清掃状況を確認していると、内線電話が軽やかに鳴り響いた。

私はいつものように声を整えて受話器を取る。



「お電話ありがとうございます。ベルデスクの夏木(なつき)でございます」



そう口にしながら電話のディスプレイに表示された客室番号をパソコンで叩く。

3001――検索。

情報を確認すると、今をときめく韓国のアイドルグループが連泊で貸し切っているフロアからの内線だった。

私はアイドルに詳しくはないけれど、後輩の相田(あいだ)ちゃんが『今人気のアイドルですよ!』と引き継ぎの時に教えてくれた。



『えと、こんにちは』



電話越しに聞こえてきたのは遠慮がちで、たどたどしい日本語。

耳に心地よいその声が、おそるおそる言葉を紡ぐ。