透明のうらがわ

朝。
男は頭の痛みで目が覚めた。
正確には、喉の渇きで起きた。
口の中が乾いている。

昨日飲んだ量を思い出そうとした。
思い出せない。
それだけ飲んだということだ。
「……」
男は手を伸ばす。

スマホを探す。
枕の下。
布団の横。
最後に床。
見つけた。

画面を見る。
通知が一件。
昨日のものだった。
男は少し迷ってから開いた。

『久しぶり』

なぜか懐かしかった。
その下にもう一件。

『まだ、あのアカウント使ってる?』

男は眉を寄せる。
意味が分からない。
昔使っていたSNS。
もう何年も開いていない。
フォローもフォロワーもそのまま。
ただ置いてあるだけの場所。
なぜ今。
男は返信しようとして。止まった。
さらに通知が来る。
『ごめん』
『急に連絡して』