「加代、来たよ。久しぶりだな」
俺は水を汲んできたバケツから柄杓でお墓に水をかけてやる。
今日は、あれから五年経ったクリスマスの次の日、十二月二十六日。
大学二年の終盤だ。バイト代とローンで車を購入し俺は加代の墓参りに来ていた。
加代のお墓は村の外れに設置されている。
「お前が俺の代わりに死んで蘇らせてくれた。でも次は俺の番と思ったら、お前から生き返らせるのは駄目だという遺書があって、俺は止められた。まぁ約束だから毎年お墓参りに来るさ」
おっと、傍から見れば俺は独り言を呟く怪しい人かもしれない。まぁお墓だから大丈夫か。
◇
俺が目覚めたのは黄金の祠の前だった。
祠はバラバラに砕け散っており神様の気配はなかった。加代が祠の正面で祈りのポーズをしながら固まっていた。遺書が膝の上に置かれていたけど、最初は加代がまだ生きていると思って肩を掴んで揺さぶってみた。
呼吸は止まっていたし手首や首の脈に触れて測っても、脈があるかどうかすら分からなかった。体温が残っていたので、まだ生き返るかもと心臓マッサージをしたよな。
加代に語り掛けるように声を出す。
いつまでやっても息を吹き返すことがなくて。残念ながら加代は固まっているだけで死後硬直かと思ったら普通に動かせてさ。背負おうとしたら身体が動いて姿勢が崩れて歩けなかったから、俺は頑張ってお姫様抱っこで村まで運んでさ。
お姫様抱っこをして山の一本道を下り、かなりの距離を歩いたのに俺自身はなぜか疲れなくて。加代の自転車が山の麓にあったけど、二人乗りも出来ずに断念、お前をそのまま抱いたまま歩いた。
でもお前は嬉しそうな顔をしていた。すでに亡くなっていたのになぁ。
うん、色んな事が不思議だったな。
俺が死んでから二十四時間ちょっと、時間が短く冬休みであったことで生き返った俺の死亡急報は誤報だったことにされた。黒縁メガネの村のお偉いさんたちが苦労して、奇蹟含む神域への侵入等々を何とか誤魔化したという。加代の死は特にテーブル上に残された手記で、俺を蘇らせる身代わりになったと周囲を納得させた。
理性的に考えれば奇蹟などは俺の妄想が作り出したもの、感情で言えば実際にあった出来事。来年、俺も最高学府の三年生になる。うかつに話すことが出来ない内容だという自制はある。
◇
―――あのさ、俺が蘇る時、白い空間でお前とすれ違っただろ?
その時の光景を思い出しながら話す。これを墓前で話すのは二回目だ。
「あれ? ここはどこだ。おや? 人がいる、君は加代か、加代?」
白い空間で混乱している俺。遠目に若い女性がいたので近寄ると加代だった。
『うん、わたし。神様がよろしくって言ってたわ』
俺と違って平然としている加代。あらかじめ知っていたかのような反応だ。
「な、なんだって。まさか命の交換ってヤツをしたのか?」
『そう。でも気にしないで。私の本望だから』
そういえば、怪我の交換という奇跡を神様に頼んでやってもらっていたっけ。
「ん、そうすると加代の命を俺が貰うのか? そんなのは嫌だぞ」
『ふふ、もう遅いよ。ケイくん、それより違う話をしよ』
「駄目だ、ここから一緒に出よう。離れ離れになったらダメな予感がする」
『いいの、ここでお別れしよ』
「おい、加代……あのな……」
『ケイくん、時間がないから聞いて。わたしを蘇らせたら怒るからね! その代わり、私のお墓にお参りに来て。気が済むまででいいから。今までの長い間、迷惑かけてごめんなさい。本当に私はバカだったわ。でも貴方を救えたことだけが私の誇りよ。あなたのこと大好きだからね、小さい頃から、昔からずっとよ。あなたが寿命まで生きて亡くなったら、その時もケイくんがまだ私のことが好きでいてくれたら、一緒に天国で幸せに暮らそ』
加代がニコリと笑ってそう言い終えると、俺と加代は別々の方向へ引き込まれていった。
『じゃあね、私の風間圭一。お墓参りの約束は守ってね。誰か好いひと見つけて幸せにね、また……』
「またな、加代、俺もずっと愛しているよ」
気持ちを何かにコントロールされるがごとく、加代のフェードアウトに精神が合わされていく。
……
加代はまだ天国にいるのか? 五年も経てば輪廻とか生まれ変わりがあるかもしれないが、それを知ることが出来るとは思えない。
俺を生かすために自分の命を捨ててくれた加代に会いたい。
◇
更に加代の墓前にて報告は続く。
そういえば加代のお父さんは弁護士だったろ。論理を貴ぶので、祠の件では随分と母親と葛藤していたってさ。川で遊ぶのはカッパに引きずり込まれるから止めなさいと言うところで、カッパで躓く弁護士というパターン(いるはずないだろ、と言ったら喧嘩に発展する)。まさかこんな事で夫婦間がギスギスし始めているって。
いやぁ吉田のイジメと誹謗中傷で相当助けて頂いたよ。警察も態度を変えて今まで『事件性はありませんね』とお約束のパターンだったけど、おじさんが検察に報告すると言ったら人事異動で生活安全課の担当警部補が転勤しちゃってさ。
どんな相談事であっても本当に最初は『事件性はありません』って言うんだぁと笑っちゃったよ。女・子供事案の場合は早い対応らしいんだけどね。
また、その吉田のヤツ、女性に背中から刺されて脊髄損傷、下半身不随で車椅子生活だって。女性に刺されるまで恨まれるだなんて、やっぱり性根は腐ったままなんだろうな。加代にした卑劣なこと、俺にした虐めを主導したなどで保健室学習に隔離され、高校推薦もご破算になって、そこで反省もせずに相変わらず詐欺師のように他人を騙して。
ザマァみろという感想しか浮かばない。
あいつもクラスメイトの女の子たちに嫌われていたらしいし。
ところで加代……、妃美ちゃんって覚えてるか?
今年になってからなんだけど、彼女と大学で偶然会ってさ、村ではあまり出会わなかったのに、村の外の世界で会うなんてさ、珍しいって意気投合してカフェに行ったんだよ。お酒は飲まなかったぞ。それから何回もカフェへ行って懐かしい昔の出来事を話し込んじゃってさ。
仲良くなって三か月ぐらい経った後、彼女から告白されたんだ。ずっと好きでしたって。加代に遠慮してたら時間が過ぎてしまって今まで後悔していたそう。せっかくだから付き合おうよってお願いされたんだ。でも、加代のことが忘れられないと言ったら、困った顔をしてから、いいよ、親しい友達から始めようって。
俺さ、妃美と付き合ってもいいかな? 彼女はお前と死に別れる最後の時に、妃美が励ましてくれたよ。クリスマス・イブのイルミネーションの時に会話したんだ。そう、吉田と恋人繋ぎをしてコートのポケットに手を入れた加代を見て落ち込んでいてさ。
ごめんごめん、冗談、俺の嫉妬だよ。
加代がその時、いい笑顔だったんだ。加代が幸せなら何でもいいって、その時は俺も達観しながら帰宅したよ。その時は小学生時代の加代の手編みのマフラーをしていたんだよ。ただ二本目の加代製手編みのマフラーは欲しかったけどな。生まれ変わったらもう一度マフラーを作って欲しい。
このことだけは日記の最後に書けずに数時間後、俺は心筋梗塞で死んだから流石の加代も知らないだろ。
話は戻るけど、妃美と大学で偶然会ったら、なんだか運命を感じた。
それから俺も考えていた。色んなことを。
結論は、彼女と結婚して子供が出来たら、加代が宿ってくれたらいいなと思った。どうかな?
その時、遠くから手を振りながら妃美が走ってきた。
『ごめん、遅れた―――』
―――わかった、神様にお願いしてみる!―――
小さく呟く声がした。この声は加代だったのだろうか。いや幻覚だ。なぜなら五年間、一度も接触はなかったから。子供の性格が加代みたいに現れたら憑依なんだと分かるけど……と俺は気の長い話を想像して微笑んだ。
……おや?
圭一が空を見上げると、雨の雫が滴った。
『あっ、風間っち、雨が降ってきたよ』
妃美は両手を広げて降り始めた雨を手のひらに感じ取っていた。
「これは、涙……涙雨か……」
加代が泣いているのだろうか。それとも神がこの結末に啼いているのか。
「すぐに止むかな? 本降りにはなりそうにないが」
『遠くで雷が鳴ってるよー。急ごう』
妃美が俺の手を取り引っ張った。年頃の女子と手を繋いだのは実は初めてだった。
夕立ちというよりも豪雨になるのが困る。急ぎ足で墓の間を通り、後にした。やがて雨足が強まる中、乾いた道が雨水に濡れていった。続けて遠雷が響き雨は次第に大きな音を立ててレンガの敷き詰められた路を叩き始めた。
『風間っち、びしょびしょになっちゃうよー』
「急ごう」
「えっ!」
だが、雨は雪に変わった。驚くほどの変化だった。
涙雨が止まったのか……。
『急に雪になるなんて不思議ねー、今夜は雪が積もりそう』
古くて小さいマフラーを出して首に巻いた。
『風間っち、それ。まだ使ってるんだね』
「ああ。ただ……、来年に巻くマフラー、編んでくれるか?」
『うん、まだ寒い真っ只中だし初詣にはプレゼントするよ』
「ありがとう」
涙雨が止んだのは、妃美に告白する勇気がない俺に、加代が手を繋げるようアシストしてくれたのか?
俺も前を向いて変わっていける気がする。
【おしまい】
◇
【生前の加代と圭一】

俺は水を汲んできたバケツから柄杓でお墓に水をかけてやる。
今日は、あれから五年経ったクリスマスの次の日、十二月二十六日。
大学二年の終盤だ。バイト代とローンで車を購入し俺は加代の墓参りに来ていた。
加代のお墓は村の外れに設置されている。
「お前が俺の代わりに死んで蘇らせてくれた。でも次は俺の番と思ったら、お前から生き返らせるのは駄目だという遺書があって、俺は止められた。まぁ約束だから毎年お墓参りに来るさ」
おっと、傍から見れば俺は独り言を呟く怪しい人かもしれない。まぁお墓だから大丈夫か。
◇
俺が目覚めたのは黄金の祠の前だった。
祠はバラバラに砕け散っており神様の気配はなかった。加代が祠の正面で祈りのポーズをしながら固まっていた。遺書が膝の上に置かれていたけど、最初は加代がまだ生きていると思って肩を掴んで揺さぶってみた。
呼吸は止まっていたし手首や首の脈に触れて測っても、脈があるかどうかすら分からなかった。体温が残っていたので、まだ生き返るかもと心臓マッサージをしたよな。
加代に語り掛けるように声を出す。
いつまでやっても息を吹き返すことがなくて。残念ながら加代は固まっているだけで死後硬直かと思ったら普通に動かせてさ。背負おうとしたら身体が動いて姿勢が崩れて歩けなかったから、俺は頑張ってお姫様抱っこで村まで運んでさ。
お姫様抱っこをして山の一本道を下り、かなりの距離を歩いたのに俺自身はなぜか疲れなくて。加代の自転車が山の麓にあったけど、二人乗りも出来ずに断念、お前をそのまま抱いたまま歩いた。
でもお前は嬉しそうな顔をしていた。すでに亡くなっていたのになぁ。
うん、色んな事が不思議だったな。
俺が死んでから二十四時間ちょっと、時間が短く冬休みであったことで生き返った俺の死亡急報は誤報だったことにされた。黒縁メガネの村のお偉いさんたちが苦労して、奇蹟含む神域への侵入等々を何とか誤魔化したという。加代の死は特にテーブル上に残された手記で、俺を蘇らせる身代わりになったと周囲を納得させた。
理性的に考えれば奇蹟などは俺の妄想が作り出したもの、感情で言えば実際にあった出来事。来年、俺も最高学府の三年生になる。うかつに話すことが出来ない内容だという自制はある。
◇
―――あのさ、俺が蘇る時、白い空間でお前とすれ違っただろ?
その時の光景を思い出しながら話す。これを墓前で話すのは二回目だ。
「あれ? ここはどこだ。おや? 人がいる、君は加代か、加代?」
白い空間で混乱している俺。遠目に若い女性がいたので近寄ると加代だった。
『うん、わたし。神様がよろしくって言ってたわ』
俺と違って平然としている加代。あらかじめ知っていたかのような反応だ。
「な、なんだって。まさか命の交換ってヤツをしたのか?」
『そう。でも気にしないで。私の本望だから』
そういえば、怪我の交換という奇跡を神様に頼んでやってもらっていたっけ。
「ん、そうすると加代の命を俺が貰うのか? そんなのは嫌だぞ」
『ふふ、もう遅いよ。ケイくん、それより違う話をしよ』
「駄目だ、ここから一緒に出よう。離れ離れになったらダメな予感がする」
『いいの、ここでお別れしよ』
「おい、加代……あのな……」
『ケイくん、時間がないから聞いて。わたしを蘇らせたら怒るからね! その代わり、私のお墓にお参りに来て。気が済むまででいいから。今までの長い間、迷惑かけてごめんなさい。本当に私はバカだったわ。でも貴方を救えたことだけが私の誇りよ。あなたのこと大好きだからね、小さい頃から、昔からずっとよ。あなたが寿命まで生きて亡くなったら、その時もケイくんがまだ私のことが好きでいてくれたら、一緒に天国で幸せに暮らそ』
加代がニコリと笑ってそう言い終えると、俺と加代は別々の方向へ引き込まれていった。
『じゃあね、私の風間圭一。お墓参りの約束は守ってね。誰か好いひと見つけて幸せにね、また……』
「またな、加代、俺もずっと愛しているよ」
気持ちを何かにコントロールされるがごとく、加代のフェードアウトに精神が合わされていく。
……
加代はまだ天国にいるのか? 五年も経てば輪廻とか生まれ変わりがあるかもしれないが、それを知ることが出来るとは思えない。
俺を生かすために自分の命を捨ててくれた加代に会いたい。
◇
更に加代の墓前にて報告は続く。
そういえば加代のお父さんは弁護士だったろ。論理を貴ぶので、祠の件では随分と母親と葛藤していたってさ。川で遊ぶのはカッパに引きずり込まれるから止めなさいと言うところで、カッパで躓く弁護士というパターン(いるはずないだろ、と言ったら喧嘩に発展する)。まさかこんな事で夫婦間がギスギスし始めているって。
いやぁ吉田のイジメと誹謗中傷で相当助けて頂いたよ。警察も態度を変えて今まで『事件性はありませんね』とお約束のパターンだったけど、おじさんが検察に報告すると言ったら人事異動で生活安全課の担当警部補が転勤しちゃってさ。
どんな相談事であっても本当に最初は『事件性はありません』って言うんだぁと笑っちゃったよ。女・子供事案の場合は早い対応らしいんだけどね。
また、その吉田のヤツ、女性に背中から刺されて脊髄損傷、下半身不随で車椅子生活だって。女性に刺されるまで恨まれるだなんて、やっぱり性根は腐ったままなんだろうな。加代にした卑劣なこと、俺にした虐めを主導したなどで保健室学習に隔離され、高校推薦もご破算になって、そこで反省もせずに相変わらず詐欺師のように他人を騙して。
ザマァみろという感想しか浮かばない。
あいつもクラスメイトの女の子たちに嫌われていたらしいし。
ところで加代……、妃美ちゃんって覚えてるか?
今年になってからなんだけど、彼女と大学で偶然会ってさ、村ではあまり出会わなかったのに、村の外の世界で会うなんてさ、珍しいって意気投合してカフェに行ったんだよ。お酒は飲まなかったぞ。それから何回もカフェへ行って懐かしい昔の出来事を話し込んじゃってさ。
仲良くなって三か月ぐらい経った後、彼女から告白されたんだ。ずっと好きでしたって。加代に遠慮してたら時間が過ぎてしまって今まで後悔していたそう。せっかくだから付き合おうよってお願いされたんだ。でも、加代のことが忘れられないと言ったら、困った顔をしてから、いいよ、親しい友達から始めようって。
俺さ、妃美と付き合ってもいいかな? 彼女はお前と死に別れる最後の時に、妃美が励ましてくれたよ。クリスマス・イブのイルミネーションの時に会話したんだ。そう、吉田と恋人繋ぎをしてコートのポケットに手を入れた加代を見て落ち込んでいてさ。
ごめんごめん、冗談、俺の嫉妬だよ。
加代がその時、いい笑顔だったんだ。加代が幸せなら何でもいいって、その時は俺も達観しながら帰宅したよ。その時は小学生時代の加代の手編みのマフラーをしていたんだよ。ただ二本目の加代製手編みのマフラーは欲しかったけどな。生まれ変わったらもう一度マフラーを作って欲しい。
このことだけは日記の最後に書けずに数時間後、俺は心筋梗塞で死んだから流石の加代も知らないだろ。
話は戻るけど、妃美と大学で偶然会ったら、なんだか運命を感じた。
それから俺も考えていた。色んなことを。
結論は、彼女と結婚して子供が出来たら、加代が宿ってくれたらいいなと思った。どうかな?
その時、遠くから手を振りながら妃美が走ってきた。
『ごめん、遅れた―――』
―――わかった、神様にお願いしてみる!―――
小さく呟く声がした。この声は加代だったのだろうか。いや幻覚だ。なぜなら五年間、一度も接触はなかったから。子供の性格が加代みたいに現れたら憑依なんだと分かるけど……と俺は気の長い話を想像して微笑んだ。
……おや?
圭一が空を見上げると、雨の雫が滴った。
『あっ、風間っち、雨が降ってきたよ』
妃美は両手を広げて降り始めた雨を手のひらに感じ取っていた。
「これは、涙……涙雨か……」
加代が泣いているのだろうか。それとも神がこの結末に啼いているのか。
「すぐに止むかな? 本降りにはなりそうにないが」
『遠くで雷が鳴ってるよー。急ごう』
妃美が俺の手を取り引っ張った。年頃の女子と手を繋いだのは実は初めてだった。
夕立ちというよりも豪雨になるのが困る。急ぎ足で墓の間を通り、後にした。やがて雨足が強まる中、乾いた道が雨水に濡れていった。続けて遠雷が響き雨は次第に大きな音を立ててレンガの敷き詰められた路を叩き始めた。
『風間っち、びしょびしょになっちゃうよー』
「急ごう」
「えっ!」
だが、雨は雪に変わった。驚くほどの変化だった。
涙雨が止まったのか……。
『急に雪になるなんて不思議ねー、今夜は雪が積もりそう』
古くて小さいマフラーを出して首に巻いた。
『風間っち、それ。まだ使ってるんだね』
「ああ。ただ……、来年に巻くマフラー、編んでくれるか?」
『うん、まだ寒い真っ只中だし初詣にはプレゼントするよ』
「ありがとう」
涙雨が止んだのは、妃美に告白する勇気がない俺に、加代が手を繋げるようアシストしてくれたのか?
俺も前を向いて変わっていける気がする。
【おしまい】
◇
【生前の加代と圭一】




