サッカー部の元エースのみが俺の球を受けられる



 「で、なんで俺はここに」
 「反省会だ、馬鹿野郎」

 言われ、俺は頭をごつかれる。

 「控えめに言ってあれじゃだめだ。初見だったから撃たれなあkっただけで、慣れてくりゃ撃たれる。ま、だから俺が投げたわけなんだがな」
 「それは、一旦別投手の球を見せておく事で」
 「ああ、狙いを分散させようっつうことだな」

 なるほど。あれにはそういう狙いもあったのか。

 「まっ、俺はこれでしばらくは投げられねえ、次からはてめえの力だけで抑えなくちゃあならねえな」
 「分かってるよ」

 そう、分かっている。人任せではいけない。これは、俺が立ち向かわなくてはならない問題だ。

 「とはいえだな、スタミナは一丁一夜で身につくもんじゃねえ。日々の鍛錬が必要だ。だから、今度は球数を減らしてもらう」
 「そうだな」

 球数を減らすと一言で行ったら簡単だが、実態はそう簡単じゃないと、思う。相手に打ちころの球だと思わせ、なおかつ実態はゴロになるボールを投じなければならない。
 今日俺が奪った三振は、7つ。しかし、これは逆に言えばそれだけ相手に手を出させなかった、もしくは打ち取れなかったという事。
 これから俺は、打たせて取るピッチングをしなければならないのだろうか。

 と、思ったところで、ふと思った。

 「なあ、結局あの話どうなったんだよ」
 「あの話。ん、俺がサッカー部をやめた理由かあ?」

 俺は頷いた。

 「ああ、それなら大したことがない。ただ怪我で肘がまともに使えなくなったからサッカー部に入った訳だ。それでいいか?」
 「サッカーで結果出してることしか知らなかったんだが」
 「仕方ねえよ、野球では無名だったからな」

 そう言って彼は笑う。

 「だけど、俺はてめえに夢を見たんだよ。てめえなら、ちゃんと最強の投手になれるってな。それこそ、プロで沢村賞を撮れるくらいのな」
 「沢村賞って……」

 プロの中でも有数の投手ってことになる。
 いや、有数どころじゃない、最強の投手っていう意味じゃねえか。

 「買いかぶり過ぎだろ」
 「ん、俺は買いかぶりすぎじゃないと思うがな」

 そう言って彼は笑う。

 「だから、てめえを最強にする。そして甲子園に連れて行く。それが俺の夢だ。それがいつになるかは分からんがな」
 「まあね」

 今の戦力で甲子園に入れるわけがない。
 流石に戦力が足りなさすぎる。それこそ、もっと何倍の戦力を持たないと無理なのだ。

 「俺も投げられればいい。だが、あまり一葉投げられねえ。だから、そこはてめえに任せる」
 「ああ。俺も全力で頑張る」

 頑張らなくてはならない。
 俺は、

 「だが、」

 俺はその言葉に白井の目を見る。

 「気張りすぎんなよ。俺からしたらチームの勝利のせいでてめえhが壊れちまえばそれはもう忌ねえからな」

 俺たちはまだ二年。今年駄目でも来年がある。

 「分かってる」

 俺はそれに頷き、

 「でも、出来るだけ頑張るよ」

 その言葉に白井は頷いて見せた。


 「で、ここからが本題だ」
 「なに?」

 「今日、俺の家に泊まれ」
 「は?」

 何言ってんだこいつ。

 「今日俺の家に泊まれってん弾よ」

 ここにきてマジで意味不発言が来た。

 「何言ってんだよ」
 「話したいことがまだあんだよ。後練習も。合宿のようなものだ、いいだろ?」
 「まあいいけどよ」
 「ならよかった。この後荷物を纏めて俺の家に来い」