ここへ来た時に渡されていた空色に桜の刺繍が施されている着物に袖を通す。
もう集まった頃だろう。
今日の朝、最上階の広間に集まるよう皆に伝えていた。
桜ノ命になれと言われた時、何を言われているのか分からなかった。
それ以前に自分の事も分からないのだ。
今だって分からない。
それでも不安な気持ちが少ないのは、私の周りに神使の皆が居てくれたから。
都の人達もそうだ。
何者かも分からない私にとても優しくしてくれた。
カラクリは怖い。
でも私を守ると言ってくれた神使を信じようと思った。
意を決して扉を叩く。
「はい」
扉を開くと五人の神使に沢山の宮の人たちが座っていた。
一斉にこちらを見る。
「お集まりいただきありがとうございます」
私は台座に座り声を張る。
「早速本題に移らせていただきますが……」
覚悟は決まっている。
「私に桜ノ命を務めさせて下さい」
空気が変わった。
「私が全力でこの隠世をお守りします。神使の皆様、力をお貸し下さい」
「本当に良いんだな」
「はい。神使の皆さんもお守りできるよう、誠心誠意尽力いたします」
「あっはは」
突然の笑い声に皆の目が点になる。
声の主を見ると巳影が乾いた声で笑っていた。
「俺らも守ってくれるの?」
巳影は心底可笑しそうに私を見ていた。
「俺らが守るんだよ、美桜」
「そうだよ!お姉ちゃんはぼくが守るよ!」
「決まりですね」
深月が私達に告げる。
その瞬間皆がわぁと私を取り囲み、もみくちゃにされる。
この選択が正しいものだったと胸を張れるように、全力で桜ノ命を努めようと決意した。
「白緋!」
協議が終わった後に彼の元に駆け寄る。
私は心配だったのだ。
「怒ってない……?」
「何故だ」
「だって、反対してたから」
昨日あれだけの大口を叩いたものの、最後に決めた決断を彼に伝えていなかった。
「……へ?」
白緋は何も言わず手刀を私の頭に乗せる。
これは?
「人の顔色を伺うな」
「え……」
「自分の好きなようにすればいい」
柔らかくと笑う。
初めて彼の笑顔を見たかもしれない。
この選択を受け入れてくれたのだろうか。
「今日から俺は、美桜の神使だ」
「白緋……」
「好きなように使え」
嬉しかった。
受け入れてくれたことが。
私が嬉しさに頬を緩めていると、彼が冷静に告げる。
「昨日とは大違いだな」
「昨日……?」
『私は死なない』
『貴方達が死なせない』
「や、やめて……」
私はなんて大胆なことを言っていたのだろう……。
それにその後の至近距離の彼を思い出して頬が熱くなる。
「冗談だ」
緩く作った拳を私の額へ当てると横を通り過ぎて去ってしまう。
私が自室に戻ったのは、頬の火照りが収まってからだった。
もう集まった頃だろう。
今日の朝、最上階の広間に集まるよう皆に伝えていた。
桜ノ命になれと言われた時、何を言われているのか分からなかった。
それ以前に自分の事も分からないのだ。
今だって分からない。
それでも不安な気持ちが少ないのは、私の周りに神使の皆が居てくれたから。
都の人達もそうだ。
何者かも分からない私にとても優しくしてくれた。
カラクリは怖い。
でも私を守ると言ってくれた神使を信じようと思った。
意を決して扉を叩く。
「はい」
扉を開くと五人の神使に沢山の宮の人たちが座っていた。
一斉にこちらを見る。
「お集まりいただきありがとうございます」
私は台座に座り声を張る。
「早速本題に移らせていただきますが……」
覚悟は決まっている。
「私に桜ノ命を務めさせて下さい」
空気が変わった。
「私が全力でこの隠世をお守りします。神使の皆様、力をお貸し下さい」
「本当に良いんだな」
「はい。神使の皆さんもお守りできるよう、誠心誠意尽力いたします」
「あっはは」
突然の笑い声に皆の目が点になる。
声の主を見ると巳影が乾いた声で笑っていた。
「俺らも守ってくれるの?」
巳影は心底可笑しそうに私を見ていた。
「俺らが守るんだよ、美桜」
「そうだよ!お姉ちゃんはぼくが守るよ!」
「決まりですね」
深月が私達に告げる。
その瞬間皆がわぁと私を取り囲み、もみくちゃにされる。
この選択が正しいものだったと胸を張れるように、全力で桜ノ命を努めようと決意した。
「白緋!」
協議が終わった後に彼の元に駆け寄る。
私は心配だったのだ。
「怒ってない……?」
「何故だ」
「だって、反対してたから」
昨日あれだけの大口を叩いたものの、最後に決めた決断を彼に伝えていなかった。
「……へ?」
白緋は何も言わず手刀を私の頭に乗せる。
これは?
「人の顔色を伺うな」
「え……」
「自分の好きなようにすればいい」
柔らかくと笑う。
初めて彼の笑顔を見たかもしれない。
この選択を受け入れてくれたのだろうか。
「今日から俺は、美桜の神使だ」
「白緋……」
「好きなように使え」
嬉しかった。
受け入れてくれたことが。
私が嬉しさに頬を緩めていると、彼が冷静に告げる。
「昨日とは大違いだな」
「昨日……?」
『私は死なない』
『貴方達が死なせない』
「や、やめて……」
私はなんて大胆なことを言っていたのだろう……。
それにその後の至近距離の彼を思い出して頬が熱くなる。
「冗談だ」
緩く作った拳を私の額へ当てると横を通り過ぎて去ってしまう。
私が自室に戻ったのは、頬の火照りが収まってからだった。
