※黒飛の屋敷
黒飛「かえった」
玄関から黒飛の声が聞こえ、うたた寝をしていた清珠が目を覚ます
黒飛「清珠、かえったぞ」
少しして黒飛が清珠の部屋に顔を出す
清珠M(お出迎えもせずに寝ているなんて……!)
平身低頭して小さくなる
黒飛「別に怒ってなどない。まだ具合もよくないだろうし」
と、笑って清珠の顔を上げさせる
黒飛「土産だ」
と、清珠の首に手帳と鉛筆の通った組紐をかける
黒飛「声が出ないと不便だろ? それを使え」
不思議そうに見上げる清珠に笑いかける
早速、手帳を開いて書き始める清珠
清珠メ【お気遣い、ありがとうございます。どうして私にこんなに、優しくしてださ るのですか】
黒飛「そうだな、清珠は俺の命の恩人だしな」
と、照れくさそうに頬を掻く
清珠も赤くなって照れる
黒飛「あの日、物の怪を倒したのはいいが、深追いしすぎて片羽たちとはぐれてな。 しかもあのとおり、最後のひと太刀まで浴びてしまって。本当に清珠に出会えて運が よかった」
と、大仰に声を上げて笑う
黒飛「そんなわけで清珠には命を救われた。改めて礼を言う」
大真面目に黒飛が頭を下げる
清珠メ【お役に立てたのならよかったです。私も里から救っていただき、ありがとう ございます】
清珠も改めて黒飛へと頭を下げる
黒飛「いや、清珠は俺がほ……」
そこまで言って急に咳払いする
黒飛「清珠は俺にとって、大事な人だからな。本当に死ななくてよかった」
ぎゅっと清珠の手を握る黒飛の目には涙が光っている
黒飛「しばらくはゆっくり養生しろ。いるものがあったらなんでも言ってくれ」
部屋を出ていく黒飛を見送りながら
大事そうに清珠がノートと鉛筆を抱きしめる
清珠M(こんなお優しい方に助けられて、よかった)
※軍病院
清珠の喉の傷に綾乃が手をかざしている
綾乃「よし、今日は終わりだ」
清珠メ【ありがとうございます】
ぺこぺこと頭を下げる
蘭十郎「もう入っていい?」
綾乃「ああ、かまわない」
と、ドア越しに話す
蘭十郎と黒飛が入ってきて綾乃が説明を始める
黒飛はスーツ姿
綾乃「ケガレの進行はほぼ止まっている。喉のほうも時間はかかるが、状態は悪くな い。薬をきちんと飲んで頑張ってるおかげだな」
綾乃に褒められ、清珠が照れる
蘭十郎「うん、私も同じ見立てよ。あーんなに苦いお薬飲んで、清珠ちゃん偉いわー」
さらに蘭十郎からも褒められ、清珠がまた照れる
黒飛「当たり前だろ、清珠は偉いんだ」
と、なぜかドヤ顔
蘭十郎「もう、なんで黒飛ちゃんが得意げなのよ!」
彼がツッコみ、笑いが起こる
軍病院を出るふたり
さりげなく黒飛が危なくないように清珠を庇う
黒飛「少し街を見て帰るか」
聞かれてぱっと清珠が顔を輝かせる
慌ててノートに鉛筆を走らせ
清珠メ【嬉しいですが、お仕事はよろしいのですか?】
黒飛「ああ、問題ない」
黒飛の右手を清珠が両手で握り、嬉しそうにぶんぶんと上下に振る
黒飛「わかった、わかった」
面倒くさそうに言いながらも嬉しそう
石畳に煉瓦やセメント作りの高い建物が並ぶ。路面電車が行き交い、活気がある
楽しそうに歩く清珠の隣で黒飛も楽しそう
黒飛「入るか?」
と呉服店(百貨店)をさす。
清珠M(こんなところには入れません!)
ぶんぶんと手を振って断る
黒飛「なに遠慮してるんだ、こい」
と強引に清珠の手を引いて中に入る
清珠M(うわーっ)
大理石の床、高い天井、下がるシャンデリアを驚いて見上げる清珠
清珠M(こんなところにケガレ憑きの私なんて入っていいのかな……)
おどおどと周囲を見渡す
黒飛「欲しいものがあれば言え、買ってやる」
と笑って清珠を見る
清珠M(落ち着かないから早く帰りたい、けど……)
曖昧な笑みを黒飛に向ける
黒飛に連れられて店内を見てまわる清珠
最初はおどおどしていたが、次第に見たことのないものに目を輝かせていく
文具コーナーで黒飛が足を止め、清珠を手招く
黒飛「鉛筆はしょっちゅう削らないといけないから面倒くさいだろ」
と、清珠の胸に下がる鉛筆をさす
黒飛「これはどうだ?」
ショーウィンドウに並んでいるシャーペンを何本か、店員に言って出してもらう
シルバーやゴールド、長くて指の長さ程度、上に紐が通せるリングがついているもの
それがなにかわからなくて清珠の首が斜めに傾く
黒飛「これはな」
くるくると上のつまみを回して芯を出してみせる
清珠の顔が驚きに変わる
黒飛「反対に回すと芯が引っ込む」
今度は反対に回して芯をしまってみせる
黒飛「これなら鉛筆みたいにいつもいつも削らないでいい」
清珠メ【でも、お高いのでは?】
申し訳なさそうに黒飛をうかがう
黒飛「清珠には必要なものだろ? 気にしなくていい」
ぽんぽんと軽く黒飛の手が清珠の手を叩く
黒飛「ほら、どれがいい?」
促され、戸惑い気味に銀色の一本を清珠がさす
黒飛「すみません、これをください」
店員「かしこまりました」
店員を待つあいだ
清珠メ【本当によろしかったのですか】
とまだ遠慮している
黒飛「いいって言ってるだろ」
そのタイミングで店員が戻ってくる
店員「お待たせいたしました」
黒飛「ほら」
受け取った包みを清珠に差し出す
清珠M(ありがとうございます)
受け取った包みを胸に抱いて、深く頭を下げる
また店内を見て歩くと宝飾コーナーで黒飛が立ち止まった
彼の視線は【永遠の誓い 婚約指環】というポスターに向いている
清珠M(黒飛様、なにを真剣に見ていらっしゃるのかしら?)
黒飛「なんでもない。疲れただろ、休憩するか」
清珠の視線に気づき、なんでもないように歩き出す
食堂でメニューを見ながら清珠が悩んでいる
清珠M(なにが書いてあるのかはわかるけど、どんなものかはわからない……)
黒飛「決まったか? 俺はこれだ」
と珈琲をさす
清珠M(お待たせしちゃ悪いよね)
と、黒飛と同じものをさす
黒飛「わかった」
店員を呼び黒飛が注文しているのを
清珠M(なにかの呪文みたい)
と見ている
少しして頼んだものが運ばれてくる
清珠M(……墨?)
目の前に置かれた真っ黒な液体を固まってみている清珠
その前で平気な顔をして珈琲を飲む黒飛
清珠が思いきって珈琲を一気に呷る
清珠M(なんか変な味! お薬よりは苦くないけど!)
が、すぐに情けない顔になる
そんな清珠の様子を見て黒飛はおかしそうに笑っている
清珠メ【笑うなんて黒飛様は意地悪です】
黒飛「怒るな。これでも食え」
笑いすぎて出た涙を指先で拭い
傍らに置かれたいたプリンを差し出す
無言でプリンを見つめる清珠
おそるおそるスプーンを突っ込み
口に運ぶ
清珠M(あまーい!)
ぱーっと清珠の顔が輝く
黒飛「うまいだろ?」
うんうんと清珠が頷く
清珠M(甘くてコクがあってつるんとしてて、今まで食べたものの中で一番美味し
い!)
にこにこ笑って食べている清珠を
黒飛も嬉しそうに見ている
食堂を出て、扉が開いて別室のようなところに人が入っていくのが見えて、
なんだと黒飛の袖を引っ張る
黒飛「ああ、あれか? あれはエレベーターだ」
清珠M(エレベーター?)
清珠の首が不思議そうに倒れ、置かしそうに黒飛が笑う
黒飛「乗ってみればわかる」
清珠M(乗る……?)
怪訝そうな清珠を連れて黒飛エレベーターに乗る
エレベーターガール「上にまいります」
扉が閉まり
エレベーターが上昇を初めて
清珠が身体をびくりと震わせて黒飛にしがみつく
清珠M(は、箱が動いてる……!)
恐怖で顔を引き攣らせ、床を見る清珠
エレベータがチンと屋上に到着する
エレベーターガール「屋上でございます」
にっこり
黒飛に掴まり、へっぴり腰でこわごわエレベーターを降りる清珠
不意に風が吹いて清珠の髪を揺らす
黒飛「見てみろ」
清珠M(うわーっ!)
眼下に皇都の街が広がっている
抑えきれない興奮で、清珠がバンバン黒飛の背中を叩く
黒飛「俺が飛びながら見る景色には劣るが、悪くないだろ」
興奮してうんうんと清珠が頷く
清珠メ【凄いです! ずっと向こうまで見えます! 人があんなに小さいです!】
黒飛「そうか、よかった」
と、身を屈めて清珠に顔を近づける
なにをされるのかわからなくて固まる清珠
黒飛が清珠の額に口づけを落とす
清珠M(?????)
わけがわからなくて黒飛の唇が触れた、額を押さえる
黒飛「清珠が可愛いのが悪い」
と赤い顔でそっぽを向く
帰りの車の中でそっと胸を押さえる清珠
清珠M(屋上で黒飛様に触れられてどきどきしたけど、なんだったんだろう? 今度、 綾乃先生に相談してみようかな……)
※御歌の里
里人「ダメだ、全部枯れてる」
作物が枯れ果ててる畑で途方に暮れる
里人「井戸の水もカラカラだ」
井戸からあげた桶には水は少しも入っていない
里人「霞音様はちゃんと、お勤めしてるんだよな?」
里人「本当に今まで、霞音様が御歌幽帝を鎮めていたのか?」
里人「実は清珠様が鎮めていたのでは」
霞音「私に決まってるじゃない! どうして清珠なのよ!」
と苦々しげに見ている
※皇都
楽しそうに黒飛と街を歩く清珠
黒飛「かえった」
玄関から黒飛の声が聞こえ、うたた寝をしていた清珠が目を覚ます
黒飛「清珠、かえったぞ」
少しして黒飛が清珠の部屋に顔を出す
清珠M(お出迎えもせずに寝ているなんて……!)
平身低頭して小さくなる
黒飛「別に怒ってなどない。まだ具合もよくないだろうし」
と、笑って清珠の顔を上げさせる
黒飛「土産だ」
と、清珠の首に手帳と鉛筆の通った組紐をかける
黒飛「声が出ないと不便だろ? それを使え」
不思議そうに見上げる清珠に笑いかける
早速、手帳を開いて書き始める清珠
清珠メ【お気遣い、ありがとうございます。どうして私にこんなに、優しくしてださ るのですか】
黒飛「そうだな、清珠は俺の命の恩人だしな」
と、照れくさそうに頬を掻く
清珠も赤くなって照れる
黒飛「あの日、物の怪を倒したのはいいが、深追いしすぎて片羽たちとはぐれてな。 しかもあのとおり、最後のひと太刀まで浴びてしまって。本当に清珠に出会えて運が よかった」
と、大仰に声を上げて笑う
黒飛「そんなわけで清珠には命を救われた。改めて礼を言う」
大真面目に黒飛が頭を下げる
清珠メ【お役に立てたのならよかったです。私も里から救っていただき、ありがとう ございます】
清珠も改めて黒飛へと頭を下げる
黒飛「いや、清珠は俺がほ……」
そこまで言って急に咳払いする
黒飛「清珠は俺にとって、大事な人だからな。本当に死ななくてよかった」
ぎゅっと清珠の手を握る黒飛の目には涙が光っている
黒飛「しばらくはゆっくり養生しろ。いるものがあったらなんでも言ってくれ」
部屋を出ていく黒飛を見送りながら
大事そうに清珠がノートと鉛筆を抱きしめる
清珠M(こんなお優しい方に助けられて、よかった)
※軍病院
清珠の喉の傷に綾乃が手をかざしている
綾乃「よし、今日は終わりだ」
清珠メ【ありがとうございます】
ぺこぺこと頭を下げる
蘭十郎「もう入っていい?」
綾乃「ああ、かまわない」
と、ドア越しに話す
蘭十郎と黒飛が入ってきて綾乃が説明を始める
黒飛はスーツ姿
綾乃「ケガレの進行はほぼ止まっている。喉のほうも時間はかかるが、状態は悪くな い。薬をきちんと飲んで頑張ってるおかげだな」
綾乃に褒められ、清珠が照れる
蘭十郎「うん、私も同じ見立てよ。あーんなに苦いお薬飲んで、清珠ちゃん偉いわー」
さらに蘭十郎からも褒められ、清珠がまた照れる
黒飛「当たり前だろ、清珠は偉いんだ」
と、なぜかドヤ顔
蘭十郎「もう、なんで黒飛ちゃんが得意げなのよ!」
彼がツッコみ、笑いが起こる
軍病院を出るふたり
さりげなく黒飛が危なくないように清珠を庇う
黒飛「少し街を見て帰るか」
聞かれてぱっと清珠が顔を輝かせる
慌ててノートに鉛筆を走らせ
清珠メ【嬉しいですが、お仕事はよろしいのですか?】
黒飛「ああ、問題ない」
黒飛の右手を清珠が両手で握り、嬉しそうにぶんぶんと上下に振る
黒飛「わかった、わかった」
面倒くさそうに言いながらも嬉しそう
石畳に煉瓦やセメント作りの高い建物が並ぶ。路面電車が行き交い、活気がある
楽しそうに歩く清珠の隣で黒飛も楽しそう
黒飛「入るか?」
と呉服店(百貨店)をさす。
清珠M(こんなところには入れません!)
ぶんぶんと手を振って断る
黒飛「なに遠慮してるんだ、こい」
と強引に清珠の手を引いて中に入る
清珠M(うわーっ)
大理石の床、高い天井、下がるシャンデリアを驚いて見上げる清珠
清珠M(こんなところにケガレ憑きの私なんて入っていいのかな……)
おどおどと周囲を見渡す
黒飛「欲しいものがあれば言え、買ってやる」
と笑って清珠を見る
清珠M(落ち着かないから早く帰りたい、けど……)
曖昧な笑みを黒飛に向ける
黒飛に連れられて店内を見てまわる清珠
最初はおどおどしていたが、次第に見たことのないものに目を輝かせていく
文具コーナーで黒飛が足を止め、清珠を手招く
黒飛「鉛筆はしょっちゅう削らないといけないから面倒くさいだろ」
と、清珠の胸に下がる鉛筆をさす
黒飛「これはどうだ?」
ショーウィンドウに並んでいるシャーペンを何本か、店員に言って出してもらう
シルバーやゴールド、長くて指の長さ程度、上に紐が通せるリングがついているもの
それがなにかわからなくて清珠の首が斜めに傾く
黒飛「これはな」
くるくると上のつまみを回して芯を出してみせる
清珠の顔が驚きに変わる
黒飛「反対に回すと芯が引っ込む」
今度は反対に回して芯をしまってみせる
黒飛「これなら鉛筆みたいにいつもいつも削らないでいい」
清珠メ【でも、お高いのでは?】
申し訳なさそうに黒飛をうかがう
黒飛「清珠には必要なものだろ? 気にしなくていい」
ぽんぽんと軽く黒飛の手が清珠の手を叩く
黒飛「ほら、どれがいい?」
促され、戸惑い気味に銀色の一本を清珠がさす
黒飛「すみません、これをください」
店員「かしこまりました」
店員を待つあいだ
清珠メ【本当によろしかったのですか】
とまだ遠慮している
黒飛「いいって言ってるだろ」
そのタイミングで店員が戻ってくる
店員「お待たせいたしました」
黒飛「ほら」
受け取った包みを清珠に差し出す
清珠M(ありがとうございます)
受け取った包みを胸に抱いて、深く頭を下げる
また店内を見て歩くと宝飾コーナーで黒飛が立ち止まった
彼の視線は【永遠の誓い 婚約指環】というポスターに向いている
清珠M(黒飛様、なにを真剣に見ていらっしゃるのかしら?)
黒飛「なんでもない。疲れただろ、休憩するか」
清珠の視線に気づき、なんでもないように歩き出す
食堂でメニューを見ながら清珠が悩んでいる
清珠M(なにが書いてあるのかはわかるけど、どんなものかはわからない……)
黒飛「決まったか? 俺はこれだ」
と珈琲をさす
清珠M(お待たせしちゃ悪いよね)
と、黒飛と同じものをさす
黒飛「わかった」
店員を呼び黒飛が注文しているのを
清珠M(なにかの呪文みたい)
と見ている
少しして頼んだものが運ばれてくる
清珠M(……墨?)
目の前に置かれた真っ黒な液体を固まってみている清珠
その前で平気な顔をして珈琲を飲む黒飛
清珠が思いきって珈琲を一気に呷る
清珠M(なんか変な味! お薬よりは苦くないけど!)
が、すぐに情けない顔になる
そんな清珠の様子を見て黒飛はおかしそうに笑っている
清珠メ【笑うなんて黒飛様は意地悪です】
黒飛「怒るな。これでも食え」
笑いすぎて出た涙を指先で拭い
傍らに置かれたいたプリンを差し出す
無言でプリンを見つめる清珠
おそるおそるスプーンを突っ込み
口に運ぶ
清珠M(あまーい!)
ぱーっと清珠の顔が輝く
黒飛「うまいだろ?」
うんうんと清珠が頷く
清珠M(甘くてコクがあってつるんとしてて、今まで食べたものの中で一番美味し
い!)
にこにこ笑って食べている清珠を
黒飛も嬉しそうに見ている
食堂を出て、扉が開いて別室のようなところに人が入っていくのが見えて、
なんだと黒飛の袖を引っ張る
黒飛「ああ、あれか? あれはエレベーターだ」
清珠M(エレベーター?)
清珠の首が不思議そうに倒れ、置かしそうに黒飛が笑う
黒飛「乗ってみればわかる」
清珠M(乗る……?)
怪訝そうな清珠を連れて黒飛エレベーターに乗る
エレベーターガール「上にまいります」
扉が閉まり
エレベーターが上昇を初めて
清珠が身体をびくりと震わせて黒飛にしがみつく
清珠M(は、箱が動いてる……!)
恐怖で顔を引き攣らせ、床を見る清珠
エレベータがチンと屋上に到着する
エレベーターガール「屋上でございます」
にっこり
黒飛に掴まり、へっぴり腰でこわごわエレベーターを降りる清珠
不意に風が吹いて清珠の髪を揺らす
黒飛「見てみろ」
清珠M(うわーっ!)
眼下に皇都の街が広がっている
抑えきれない興奮で、清珠がバンバン黒飛の背中を叩く
黒飛「俺が飛びながら見る景色には劣るが、悪くないだろ」
興奮してうんうんと清珠が頷く
清珠メ【凄いです! ずっと向こうまで見えます! 人があんなに小さいです!】
黒飛「そうか、よかった」
と、身を屈めて清珠に顔を近づける
なにをされるのかわからなくて固まる清珠
黒飛が清珠の額に口づけを落とす
清珠M(?????)
わけがわからなくて黒飛の唇が触れた、額を押さえる
黒飛「清珠が可愛いのが悪い」
と赤い顔でそっぽを向く
帰りの車の中でそっと胸を押さえる清珠
清珠M(屋上で黒飛様に触れられてどきどきしたけど、なんだったんだろう? 今度、 綾乃先生に相談してみようかな……)
※御歌の里
里人「ダメだ、全部枯れてる」
作物が枯れ果ててる畑で途方に暮れる
里人「井戸の水もカラカラだ」
井戸からあげた桶には水は少しも入っていない
里人「霞音様はちゃんと、お勤めしてるんだよな?」
里人「本当に今まで、霞音様が御歌幽帝を鎮めていたのか?」
里人「実は清珠様が鎮めていたのでは」
霞音「私に決まってるじゃない! どうして清珠なのよ!」
と苦々しげに見ている
※皇都
楽しそうに黒飛と街を歩く清珠



