「次、馬橋。14ページから」
「え、あ、はい……」
翌日の4限目、現国の授業。俺は昨日のことが頭から離れないまま、情けないことにずっと上の空だった。
教科書を開いてはいるものの、文字の羅列がすべてピアノの黒鍵と白鍵に見えてくる。頭の中では、あの「愛の夢」が、リフレインのようにずっと鳴り響いていた。
「えーっと……」
どこだっけ。14ページの、どこから読めばいいんだ?
視線を泳がせながら、俺のフリーズした脳みそが必死に現在地を探す。
「おーい、馬橋。話聞けよ。14ページの3行目から読みなさい」
先生の呆れたような声が響き、教室中に小さな笑い声が広がった。
いつもならこんな凡ミスは絶対にしないのに。前を向いたまま、クラスの女子たちが「凛くんがぼーっとしてるの珍しい」「可愛い」とこっそり囁き合っているのが聞こえて、余計に耳の裏が熱くなる。
「っ、すみません。……『そのとき、彼は初めて自らの傲慢さに気づいたのだ――』」
皮肉なくらい教科書のセリフが今の自分にぶっ刺さり、俺は内心、盛大に舌を打った。
あーーー、クソ。まじで調子狂う……
「え、あ、はい……」
翌日の4限目、現国の授業。俺は昨日のことが頭から離れないまま、情けないことにずっと上の空だった。
教科書を開いてはいるものの、文字の羅列がすべてピアノの黒鍵と白鍵に見えてくる。頭の中では、あの「愛の夢」が、リフレインのようにずっと鳴り響いていた。
「えーっと……」
どこだっけ。14ページの、どこから読めばいいんだ?
視線を泳がせながら、俺のフリーズした脳みそが必死に現在地を探す。
「おーい、馬橋。話聞けよ。14ページの3行目から読みなさい」
先生の呆れたような声が響き、教室中に小さな笑い声が広がった。
いつもならこんな凡ミスは絶対にしないのに。前を向いたまま、クラスの女子たちが「凛くんがぼーっとしてるの珍しい」「可愛い」とこっそり囁き合っているのが聞こえて、余計に耳の裏が熱くなる。
「っ、すみません。……『そのとき、彼は初めて自らの傲慢さに気づいたのだ――』」
皮肉なくらい教科書のセリフが今の自分にぶっ刺さり、俺は内心、盛大に舌を打った。
あーーー、クソ。まじで調子狂う……


