悪友創造

(じょ)(ゆう)(てい)(たく)(おとず)れるのは、
クロエにとってよくあることだった。


(けい)()(がい)(しゃ)にも(さい)(よう)される
(くっ)(きょう)()(えい)のヒューマノイドを
(たい)()()れた16(さい)(しょう)(じょ)が、
(げん)(かん)(まえ)()って(ふか)(いき)()いた。


(いぬ)()()ほどある(はこ)
(うん)(ぱん)ロボットに()んで(はこ)ばせている。


(しょ)(たい)(めん)()(らい)(ぬし)に、
クロエは(ちょく)(せつ)(のう)(ひん)することも(おお)い。


今日(きょう)(おとず)れた()(しょ)
(かの)(じょ)にとっては(とく)(べつ)で、
()(あせ)(にじ)んで(きん)(ちょう)()(かく)した。


(むずか)しい()(らい)(ぬし)だった。


(いち)()(ほう)(もん)での()()てを(ことわ)られ、
(こん)(かい)(しな)(もの)(おお)(はば)(しゅう)(せい)(もと)められた。


(ほう)(しゅう)(じゅう)(ぶん)なほど(もら)っていたけれど、
(はこ)(なか)()(たい)する()(しん)
(きん)(がく)とは(たい)(しょう)(てき)(うす)れていた。


クロエも(よう)(しょう)から()(わか)()(じょ)(ゆう)で、
()(やく)(ころ)から(おお)くの(さく)(ひん)()れてきた。


(おや)()れられて(かん)(げき)した
(しゅ)(えん)()(たい)(かん)(めい)()け、
(かの)(じょ)(かつ)(どう)()った()()もあった。



マスメディアへの()(しゅつ)(すく)ない(ため)に、
(かの)(じょ)(しん)()(せい)(さく)(ひん)()(だい)(せい)()んだ。


クロエはドアベルを()らす。


()(ぶん)のヒューマノイドに
(きょう)()(こだわ)りを(しめ)した(じょ)(ゆう)
『ザ・ココ』の(てい)(たく)(ほう)(もん)する()(かい)
クロエは(こう)(よう)(おさ)えられなかった。


「いらっしゃい。
 あなたがクロエね。」


クロエは()(ぶん)()(むか)えた(じょ)(ゆう)
()(ぜん)(たい)()(ふく)姿(すがた)()()れて(こえ)()ず、
マスクの(おく)(くち)(ひら)いたまま(うなず)いた。


口から(しん)(ぞう)()()ていたのかもしれない。


『どうぞ。()がって。』


(ちゅう)(がた)ロボットに()びかけられて、
クロエは(しん)(ぞう)(もと)(もど)した。


()(たか)()(らい)(ぬし)(となり)()つのは、
(きょう)(たい)()(あし)()やした()(かっ)(こう)なロボットで、
クロエは(まゆ)(ひそ)めてしまった。


()(りつ)()(そく)()(こう)(にん)(げん)(おう)(たい)するロボットは、
いまどき(めずら)しくはない。


()(ぶん)(おく)った(せい)(ひん)ではなく、
(なん)()(だい)(まえ)(はこ)(がた)ロボット。


(さい)()しかない(わか)(じょ)(ゆう)が、
他所(よそ)のロボットと(どう)(せい)していることに、
クロエは(ひど)(どう)(よう)()せた。


「は、はじめまして。クロエです。」


「あなたはこれを(つく)った、
 (ゆう)(めい)なヒューマノイドデザイナー
 なんですってね。」


『それはあっち。』ロボットから(べつ)(こえ)


「これ、(わたし)の…。」


クロエがデザインしたヒューマノイドは、
(げん)(かん)(おき)(もの)になっている。


クロエの(かん)(じょう)は、(なか)(しっ)()だった。


「あなたの(せつ)(めい)(しょ)()んで、
 ()()ててみたんだけど、
 これはイメージと(ちが)うらしくてね。」


()(らい)(ぬし)(こと)()(はし)(ばし)
()になる()(ぶん)(かん)じながら、
クロエは(かの)(じょ)()(けん)()()る。


「…メールで(うかが)いました。

 (たし)かに(わたし)(おく)ったこの(はん)(よう)デザインでは、
 (せい)(かつ)(くう)(かん)()()(がた)いと(おも)います。」


()(らい)(ぬし)()むこの(てい)(たく)は、
(じつ)(りょく)()(わか)()(じょ)(ゆう)という(めい)(せい)のイメージとは
(とお)(はな)れた(しっ)()(せい)(かつ)(くう)(かん)だった。


『ギャビーが()(へい)(きん)(ぞく)みたいな(いえ)()めば、
 メタリックなデザインも()()むかもね。』


「…ギャビー?

 ココ(さま)はこのロボットに
 そう()ばせているのですか?」


「『ザ・ココ』はアル――
 従姉妹(いとこ)()けた(やく)(しゃ)(めい)よ。

 (ほん)(みょう)はガブリエル、だからギャビー。

 あなたもわたしの(いえ)(なか)では、
 ギャビーって()んでいいわよ。

 それからこの()はティフィ。
 (なか)()はロボットではないみたい。」


「ロボット、ですよね?」


(ひと)(がた)ではない(きょう)(たい)は、
(あき)らかに(ごう)(せい)(じゅ)()()()ている。


サーボモータが(かん)(せつ)(うご)かし、
(じん)(こう)()(のう)(ひょう)(じょう)パターンを(ひょう)()する
(えき)(しょう)()(めん)まで(ぜん)(めん)()いている。


『ぼくはギャビーの従姉妹(いとこ)の――
 アルのイマジナリーフレンドだよ。

 で、アルがあの()。』


「なんであたしがこんな(かっ)(こう)。」


(せい)(ふく)――(えい)(ぞう)でしか()たことのない、
どこかの(くに)(がく)(せい)(ふく)()(しょう)(じょ)が、
部屋(へや)(すみ)()っている。


「あれがわたしの従姉妹(いとこ)のアルマ。

 アルはひと()()りの(つよ)()だから、
 ()まれないように()()けてね。」


()むわけないだろ。
 (いぬ)じゃないんだから。」


(せい)(ふく)()させられて()(まる)めたアルマ。


(じょう)(だん)でも()みつかれそうな(いきお)いに、
クロエは()(せん)()らして()(しゅく)する。


ゲストのクロエを()(づか)って、
ギャビーは(かの)(じょ)()()()いた。


『ぼくの身体(からだ)()しいんだって。』


身体(からだ)? (そう)(じゅう)する(ため)のロボットですか?」


(えん)(かく)(そう)()じゃないぞ。」


アルマに()(てい)されて、
クロエはギャビーの(かお)()(たず)ねた。


「あ、あなたに()(らい)したのはアルね。

 この()ってばメールで
 わたしの(めい)()(かっ)()使(つか)ってたのよ。」


『だからアルは(しか)られて、
 あの(ふく)()させられたんだよ。』


「まだ(もん)(だい)()こしてないだろ…。」


(めい)()()(よう)されたギャビーからすれば、
アルマとの(にん)()(ちが)いでしかない。


「ロボットを()()てたのは
 わたしでしょ。」


「あたしも(すこ)しは手伝(てつだ)ったし。」


(すこ)しね。」ギャビーが(どう)()し、(きょう)調(ちょう)する。


『アル、これってぼくの身体(ぼく)?』


ティフィが(はこ)に、(ごう)(せい)(じゅ)()(うで)()ばす。


()(らい)(どお)りに(つく)ってくれたんだろ?
 今日(きょう)はそれを()ってきたんだよな。」


(ちゅう)(もん)(おお)()(らい)(ぬし)よね。」


ギャビーが(くち)(はさ)んだので、
クロエは(そっ)(ちょく)(うなず)いてしまった。


()(らい)(どお)りのデザインでよろしければ…。」


()(えい)のヒューマノイドが(はこ)()れた(はこ)が、
クロエの()()()けられていく。


ティフィという(たい)(しょう)()()たりにして、
クロエは(はこ)(なか)()()(しん)があった。


「どんなデザインにしたの?」


(いぬ)。」と、()(らい)(ぬし)のアルマが()う。


(いぬ)? ぼくって(いぬ)なの?』


(はこ)()っていたロボットは、
セーラー(ふく)()(おお)きな(いぬ)だった。



▶ つづく