悪友創造

カメラがアルマの動(うご)きを追(お)い、
ティフィが部屋(へや)に入(はい)って来(き)た荷(に)物(もつ)を見(み)た。


ランチボックスと呼(よ)ばれる小(ちい)さな箱(はこ)型(がた)の、
屋(おく)内(ない)用(よう)の輸(ゆ)送(そう)ロボットが去(さ)っていく。


『今(こん)度(ど)はなに買(か)ったの?
 ギャビーにまた叱(しか)られるよ。』


「必(ひつ)要(よう)経(けい)費(ひ)だから、平(へい)気(き)だよ。」


『それ、倫(りん)理(り)的(てき)に大(だい)丈(じょう)夫(ぶ)なやつ?』


「これはただのロボットのパーツ。

 法(ほう)に触(ふ)れないヤツを、
 注(ちゅう)文(もん)したんだよ。」


アルマは腕(うで)の外(がい)装(そう)をカメラに向(む)け、
モータやセンサを床(ゆか)に敷(し)き広(ひろ)げていく。


「…にしてもパーツ数(すう)、多(おお)いな。」


『アルは工(こう)作(さく)とか苦(にが)手(て)だもんね。』


「説(せつ)明(めい)書(しょ)を付(つ)けて貰(もら)ったから、
 このくらいできる、はず。

 これがティフィの身体(からだ)になるんだから、
 あんたも手伝(てつだ)いなよ。」


『ぼくの?』


パーツが人(ひと)の形(かたち)に並(なら)べられ、
事(じ)件(けん)現(げん)場(ば)が完(かん)成(せい)した。


「なんていうか…。」アルマが呟(つぶや)く。


『グロい…。』彼(かの)女(じょ)の呟(つぶや)きに続(つづ)くティフィ。


カメラ越(ご)しに自(じ)分(ぶん)の内(ない)臓(ぞう)になるものを見(み)て、
迷(めい)走(そう)神(しん)経(けい)反(はん)射(しゃ)を起(お)こす。


『ぼくには似(に)合(あ)わないと思(おも)うから、
 いまから返(へん)品(ぴん)しなよ。』


「これから組(く)み立(た)てるんだから、
 ティフィだってずっと箱(はこ)の中(なか)に居(い)るも
 嫌(いや)だろ?」


アルマが添(てん)付(ぷ)された説(せつ)明(めい)書(しょ)を見(み)せる。


『…わかったよぉ。』


ティフィの入(はい)ったパソコンの、
ファンの回(かい)転(てん)速(そく)度(ど)が早(はや)くなった。


――それから作(さ)業(ぎょう)は順(じゅん)調(ちょう)に進(すす)んで、
ランチボックスに取(と)り付(つ)けられた
車(しゃ)輪(りん)が回(かい)転(てん)し、床(ゆか)を走(はし)り回(まわ)る。


「もう、これでいいだろ。」


『アルのポンコツ!』


ランチボックスにされたティフィが、
スピーカー越(ご)しに抗(こう)議(ぎ)した。



▶ つづく