悪友創造

『ぼくって人(じん)工(こう)知(ち)能(のう)なの?』


スピーカー越(ご)しにティフィの声(こえ)。


目(め)を覚(さ)ましたアルマはシリアルを食(た)べて、
液(えき)晶(しょう)画(が)面(めん)に映(うつ)し出(だ)される
ティフィの様(よう)子(す)を観(かん)察(さつ)する。


「ティフィは人(じん)工(こう)知(ち)能(のう)ほど
 頭(あたま)良(よ)くないだろ。自(じ)利(り)明(めい)白(はく)。」


『そんな自(じ)己(こ)否(ひ)定(てい)は嫌(いや)だ。』


「巷(ちまた)で人(じん)工(こう)知(ち)能(のう)なんて言(い)われてる物(もの)は、
 ネット上(じょう)にあるデータの剽(ひょう)窃(せつ)だしな。」


アルマは眼鏡(めがね)の位(い)置(ち)を直(なお)し、
言(い)って自(みずか)らの意(い)見(けん)に頷(うなず)く。


『偏(へん)見(けん)だ。
 ぼくは人(じん)工(こう)知(ち)能(のう)とは違(ちが)うの?』


アルマはスプーンを口(くち)に運(はこ)んで、
シリアルをずっと噛(か)んでいる。


カメラでその様(よう)子(す)を眺(なが)めるティフィは、
アルマからの返(へん)事(じ)を黙(だま)って待(ま)っている。


「ティフィは人(じん)工(こう)知(ち)能(のう)なんかではなく、
 あたしのイマジナリーフレンド。

 作(つく)ったあたしの知(ち)能(のう)は越(こ)えられない。」


『嫌(いや)な制(せい)限(げん)を設(もう)けたなぁ。』


器(うつわ)に残(のこ)った牛(ぎゅう)乳(にゅう)も飲(の)み干(ほ)し、
アルマは両(りょう)手(て)を合(あ)わせて禅(ぜん)の心(こころ)を表(あらわ)す。


彼(かの)女(じょ)は禅(ぜん)が何(なん)なのか
深(ふか)く理(り)解(かい)はしていないが、
食(しょく)材(ざい)に対(たい)する感(かん)謝(しゃ)の気(き)持(も)ちは持(も)っている。


『こんなユニークな技(ぎ)術(じゅつ)があるんなら、
 ぼくでひと儲(もう)けできそうだね。』


「ティフィはあたしの
 細(さい)胞(ぼう)を培(ばい)養(よう)して作(つく)った、
 倫(りん)理(り)的(てき)に禁(きん)忌(き)とされてる技(ぎ)術(じゅつ)だから、
 これで商(しょう)売(ばい)なんて無(む)理(り)だね。」


『怖(こわ)ぁ~。』


ティフィは自(みずか)らの生(う)みの親(おや)である
アルマの奇(き)抜(ばつ)な行(こう)動(どう)力(りょく)に慣(な)れてきた。


慣(な)れてきた自(じ)分(ぶん)を理(り)解(かい)して、
ティフィは自(じ)分(ぶん)が怖(こわ)くなった。



▶ つづく