微笑みの距離

凛の笑顔が頭から離れない。
教室でも廊下でも、彼女は完璧だった。
友達思いの優しい女子。成績もよく、先生からも信頼されている。
誰も、あの裏の顔に気づかない。

「遥ちゃん、大丈夫?」

放課後、美咲が声をかけてきた。
目の下にはクマ。元気なふりをしても、明らかに憔悴していた。

「うん……ちょっと寝不足で。」

私はごまかした。でも言いたかった。
“全部、凛がやったんだよ”と。

だけど――

(次は私が狙われる)

その恐怖が、喉に鍵をかける。